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毎日飲んで風邪知らず 台湾の「精力湯」一杯350円

日経MJ

台湾で、本格派の栄養ジュース「精力湯」(ジンリータン)が人気だ。自然食品専門店などが扱い、野菜や穀物、海藻など多様な素材を店頭でミキサーにかけ、栄養が劣化しないうちにできたてを飲む。外食文化が根付く台湾で貴重な栄養源になっている。

「毎日飲めば風邪も引かない。この一杯が健康の秘訣だよ」。台北市内の会社員、ジェイソン・チェンさん(53)はこう話す。「精力湯」は1杯90~100台湾ドル(350円前後)で、庶民のランチ代に相当する価格は安くはない。それでも毎朝出勤前に飲むのを欠かさないという。

葉物野菜、果物、大麦などの穀物、クルミなどのナッツ、海藻が基本的な材料だ。自然食品専門店チェーン「綿花田生機園地」では、藻の一種である健康食品「スピルリナ」や蜂蜜も加える。ビタミン、ミネラル、たんぱく質など多様な栄養を補給できる。一時期日本などで流行した「グリーンスムージー」を、さらに充実させたものと言える。

台湾では2010年代、廃油が食品大手の製品に混入するなどの不祥事が相次ぎ、食の安全への意識が高まった。都市部では有機野菜や健康食品を扱う専門店が増加。米国の高性能ミキサー「バイタミックス」を置き、「精力湯」などのできたてのジュースを提供するケースが多い。

「精力湯」は、加熱を避けて食材本来の栄養や酵素の劣化を防ぐ「ローフード」(生食)を提唱した米国のアン・ウィグモア氏がルーツとされる。同氏が食事療法で用いた「エナジー・スープ」が「精力湯」として台湾で広がっているという。夫婦共働きが多い台湾では家計支出の約4割を外食が占めると言われ、栄養を補う志向は強い。日本でも流行の余地はないだろうか。

(台北=伊原健作)

[日経MJ 2019年3月3日付]

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