Men's Fashion

紳士服のオンリー、既製もオーダーも「値引きせず」

ブランド VIEWS

信頼感を醸成、固定ファン増やす

2019.2.22

京都発の紳士服オンリーが手掛けるスーツブランド「オンリー」が好調だ。既製スーツとオーダースーツの両軸での販売を目指した店舗展開で、多様なビジネスマンから支持を集めている。スーツ市場が緩やかに縮み大手紳士服店が苦戦するなか、既存店売上高は2年連続で前年を上回る。

オンリーの最大の特徴はバーゲン販売を一切しない点だ。最初から原価率を高めに設定する。創業者で会長兼社長の中西浩一氏の「値下げを前提に定価を設定していては、正規の値段で買った客に申し訳ない」という思いから始めたという。

オンリーは既製スーツとオーダースーツの両方の販売に力を注ぐ。オーダースーツを専門にする店や、既製品がメインでオーダーはあまり売れていない店が多いなか、オンリーは既製スーツが7割弱、オーダースーツが3割強。「両軸できちんと販売できているのは当社だけだ」と沢詩朗専務は自信を語る。

同社のオーダースーツ事業をけん引するのが、2017年に始めた2着で税別3万8000円から仕立てられる「ミニマルオーダー」だ。オーダースーツだが選べるのは生地だけで、ボタンや裏地などはすべて固定となる。「選べるのを生地とサイズだけにすることでコストを抑制している」(沢専務)