じゅうたんの汚れ、9割は掃除機でとれる

NIKKEIプラス1

尾城徹雄撮影
尾城徹雄撮影

足元の冷気を抑えて衝撃を吸収するラグやカーペットなどのじゅうたん。使ううちに黒ずんだり、ベタついたりと汚れに悩まされることも多い。正しいケアや掃除方法をおさらいしよう。

「家庭のじゅうたん汚れの9割は、掃除機で除去することができる」と話すのは、歌舞伎座のどんちょうなどを手掛ける川島織物セルコン商品開発部、中島研司さんだ。

しかし、ただ掃除機をかけるのではなく、「パイルの毛並みを起こすように意識する」(中島さん)のがポイント。パイルが流れる方向とは逆向きに掃除機のヘッドを動かし、ゆっくりと引いていく。

掃除機で取れない髪の毛や糸くずなどは粘着テープを貼ってはがして除去する。

食べこぼしや汗 中性洗剤が有効

じゅうたんを汚す原因は多岐にわたる。家庭用洗剤を広く取り扱う花王商品広報部の大橋美生さんは「髪の毛やホコリ、食べこぼし、汗や皮脂、ペットの毛、ハウスダストや菌のうち、食べこぼしのシミや汗、皮脂汚れなどは中性洗剤で拭けばいい」と話す。

掃除には雑巾ではない、古タオルなどを用いると安心だ。水4リットルに対し、衣類用の中性洗剤10ミリリットルを目安に薄めて、洗剤液を作る。この液に布を浸し、固く絞って拭いていく。黒ずみやベタつきの汚れが、みるみるタオルに移っていくのがわかる。

ただし「じゅうたんに洗剤成分が残ると変色の恐れがあるので、『すすぎ拭き』は必ず」と中島さん。すすぎ拭きとは、きれいな水を浸して絞ったタオル等の布で拭き直すこと。手間はかかるが、少なくとも1回は拭こう。

特に汚れの気になる部分は、横方向に拭いた後、縦方向にも拭く「十字拭きをすると落としやすい」(大橋さん)という。

小ぶりなラグをリビングやダイニングに敷き、食事や軽食を取ることもあるだろう。ついうっかり、ケチャップやチョコレートなどで汚してしまった場合は、どうすればいいか。

ケチャップはティッシュペーパーなどで取り除き、酢で拭き取る。それでも色が残ったらオキシドールで拭き取るのが有効だ。チョコのシミは「ティッシュで拭いてからベンジンでたたいて脂肪分を除き、中性洗剤液で拭き取って」と中島さんは説明する。

マヨネーズとバターはぬるま湯を浸した布で拭き取り、それでも汚れが残る場合は洗剤液で拭き取る。口紅はアルコールで取り、洗剤を入れたぬるま湯で拭く。クレヨンはマニキュアの除光液を布に染み込ませて落とすなどそれぞれ適切な対処法がある。

コーヒーや紅茶 酢で拭き取ろう

汚したら、すぐに落とすのが基本。とはいえ、かなり時間がたった後で目立ち出すのが緑茶や紅茶、コーヒーだ。その場合は酢で拭き取るといい。実は酢は、ペットの粗相の後始末にも有効だ。

汚れへの対処をした後、必ず1回はすすぎ拭きしよう。

酒を飲んだり、体調が優れなかったりして、じゅうたんに嘔吐(おうと)してしまうこともあるだろう。

そうしたときは「すぐに付着物を取り除き、その後、固く絞った布でたたくように汚れを吸い取って」と中島さん。流行性のノロウイルスなどが懸念される場合は、「0.1%濃度の次亜塩素酸ナトリウム」による消毒が必要だ。

この次亜塩素酸ナトリウムは市販の台所用漂白剤などに含まれることが多い塩素系の消毒剤だ。水道水で希釈して使う。ただし、強い漂白作用があり、敷物が変色してしまう恐れがあるので注意したい。いったん目立たない場所で試してからにしよう。

次亜塩素酸ナトリウムを使用せずにきれいにする方法もある。ウイルスを不活化するには「85度、1分以上の加熱」が条件だ。

85度以上のスチームが安定的に出るスチームクリーナーや、スチームアイロンで加熱するとよさそうだが、中島さんは「熱で縮んでしまう可能性があるので、そのじゅうたんの素材に適しているか、という見極めが重要」という。やはり目立たない場所で試してから対処したい。

気温が高くなると、じゅうたんをしまうという人もいるだろう。まずは、こうした汚れを取り除いた後、数日間陰干しして湿気を飛ばしておこう。ダニやカビの発生の予防になる。

(住生活ジャーナリスト 藤原 千秋)

[NIKKEIプラス1 2019年2月23日付]