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収納は大きさじゃない モノのサイズで考える片づけ術

NIKKEIプラス1

2019/2/16付

PIXTA

収納グッズを買い足しても片付かないのは、入れるモノと収納場所のミスマッチが原因かもしれない。見落としがちな「モノのサイズ」から、収納を考えてみよう。

モノを片づける収納場所がないという理由で、つい奥行きのある大型の棚や衣装ケースを買ってしまったという人は多いだろう。しかし、「収納は大きければいいというわけではない」と収納などを手掛ける住宅建材メーカー、大建工業デザイン部の内村恵美さんは話す。

収納の使いやすさを左右するのは奥行きだ。収納スペースの奥行きが深すぎると、奥に入れたモノに手が届かなくなる。手前に余分なスペースができると、そこへ何かを置いてしまい、出し入れしづらくなる。逆に奥行きが足りないと、モノが飛び出てじゃまになる。

「無駄なく、使いやすい収納を実現するには、モノに合った奥行きを選ぶのがカギ」と内村さん。

■CD・小物20センチ 家電には45センチを

収納家具の規格はおおまかに決まっている。大建工業の場合、壁面収納の奥行きは20センチ、30センチ、45センチ、60センチの4サイズ。奥行き20センチの棚は文庫本やCD、小物に向く。奥行き30センチはA4判が縦に入り、書類や雑誌はもちろん、食器やコンパクトなAV機器、バスタオル……と「最も使い勝手がいい」(内村さん)。奥行き45センチは家電や調理器具など、奥行き60センチはクローゼットに適したサイズだ。

とはいえ、モノの大きさは千差万別。すでにある収納場所も限られている。うまく収めるには工夫が必要だ。その際ケースやカゴ、ファイルボックス、仕切り板、仕切り棚などの収納用品が役に立つ。

ところが、こうしたグッズを使ってもうまく収まらないと感じているかもしれない。その理由は「いきなり収納用品を買ってしまうから」と内村さんは指摘する。

収納用品を数多くそろえる無印良品のシニアインテリアアドバイザー、村田佳代さんも同意見だ。「とりあえず収納を買いに来たという人がほとんどで、それが失敗につながる。収納用品に何を、量はどのくらいをしまうのか、把握するのが先」と話す。

そのために、片付けようとしている引き出しや棚から、まずはすべてのモノを出す。「使うモノと使わないモノが混在しているから、ごちゃごちゃする。必要か、不要かで分けること」(村田さん)。収納用品にしまうのは、本当に必要なモノだけにしよう。

次に、しまうモノをグループ分けする。用途や使う場所、使う人、使用頻度などテーマを決め、カゴやケースにまとめて入れると、整理しやすく、使い勝手が良くなる。台所やリビング、洗面所などで使うこまごましたモノの収納にお勧めの技だ。

しまうモノを決めたら、モノのサイズを測って数量を確認する。同時に、収納用品を置きたいスペースの広さも測る。測るのは高さ、幅、奥行き。外寸とケースや棚板の厚みを引いた内寸も測っておく。「サイズ違いのものをまとめて収納する場合は個別に測ると大変なので、一番大きいモノを測り、それが入る収納を選ぶといい」(村田さん)

測定値を持って店頭に出向けば、「買ったけれど使えない」という失敗を防げる。

■しまい方を工夫 取り出しやすく

「収納は取り出しやすいことと、一目でわかることが基本。しまい方も工夫して」と村田さん、内村さんは口をそろえる。ひとつは「仕切る」手法だ。引き出しや棚に、種類や大きさの異なるモノを一緒にしまうときは小物ケースや仕切り板、小さな棚、ブックエンドなどで仕切る。

「立てる」収納も機能的だ。便利なのが書類などを整理するファイルボックス。調理器具や洗剤などのボトル、カバン、スリッパ……何を入れても、ボックスごと棚に収めて奥のスペースまで使える。

「食器棚のグラスはコンビニエンスストアの飲み物のように、同じ種類を奥から手前に一列に並べる『奥並べ』もお勧め」(内村さん)。衣類やタオルも衣装ケースに立てて並べると稼働率が上がる。「衣類はなるべく小さく、厚みや幅が均等になるようにたたむと収納枚数が増える」(村田さん)

引っ越しや模様替えをする人もいるだろう。モノのサイズを意識しながら片付けに取り組んでみてはどうだろう。

(ライター 奈良 貴子)

[NIKKEIプラス1 2019年2月16日付]

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