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マイナー魚の活用で脚光 人気の宅配ずし、東京・墨田

日経MJ

2019/2/15付

3人前の「特上30カン入」(3867円)。白身の食べ比べが楽しい

漁港を取材していると必ず見かけるのが未利用魚だ。味は良いが、見た目が悪い、鮮度が落ちやすい、さばきづらいなど様々な理由で流通しにくい魚を指す。一般的に市場で値がつかないので、船上で廃棄されたり、肥料や養殖魚の餌にされたりする。また季節外れの魚やセリの単位に満たない少量しか取れない魚も、未利用魚として扱われることもある。

こうした魚を積極的に仕入れ、宅配ずしのネタにして注文を獲得しているのが、東京都墨田区にある「黒酢の寿司 京山」だ。

同店では北海道から長崎の五島列島まで約15の港の漁業関係者と交流を持つ。流通しづらい魚を産地から直接仕入れて、「おまかせセット」として握りで提供し、人気になっている。

このセットは、未利用魚を含む地魚が中心の「上」と、マグロの中トロが入った「特上」がある。それぞれ10カンから10単位で50カンまで注文でき、数が増えるほどお得感が増す。上10カンは1383円、特上10カンは1707円だが、50カンになると上5670円、特上6459円とお値打ちだ。シャリに黒酢を使い、職人が注文を受けて握るので、味は本物志向で満足度は高い。

同店の発注はキロあたりの価格を決め、その範囲内で「刺し身にできる魚」と着日を指定するだけ。サイズや魚種は指定しないので、何が届くか分からない。朝山議尊社長は「同じ魚が多いときや、さばきづらいカサゴ、オコゼが入っていると泣きそうになる」と話す。頭が大きく歩留まりが悪いコブダイ、ヤガラなどもうれしくない魚種だ。それでも「ちゃんとさばけばウマイ!」と腕を振るう。

しかしマイナー魚のすしがなぜ売れるのか? 一つは鮮度。市場を通さないので、一般流通よりも1~3日は早く届く。未利用魚のなかには鮮度が落ちやすい魚種もあるので、輸送日の1日が明暗を分ける。たとえば、焼き魚の定番の「レンコ鯛」は鮮度が良ければ、刺し身がうまい。

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