ニューヨーク 日本直送ネタおまかせの握り5450円
ニューヨーク市でお任せの握りを50ドル(約5450円)で食べることができるサービスが急成長中だ。完全予約制、時間限定だが日本から空輸した新鮮なすしネタを提供。コスパの高さでニューヨーカーの間で話題となっている。
この店は「スシ・バイ・ブー」。所在地はマンハッタンのミッドタウンにあるホテル。フロントで来訪を告げてロビーで待機する。時間がくると係の案内でエレベーターで上層階に移動。外から見ると何の変哲もない店構えだが、中に入るとひのきのカウンターが目を引く。
わずか4席。30分の間にシェフが選んだ12貫を食べるのが決まりだ。全員が着席すると、"すしシェフ"が顧客にあいさつし、今日のネタを一貫ずつ握ってはカウンターにのせていく。日本酒もカクテルも注文でき、顧客同士の会話が弾むことも多い。「これで締めです」と卵焼きを出すところまで日本風だ。
日本のすし屋で修業したデビッド・ブハダナさんがニューヨーク市で始めた。不動産業のパートナーと組み、ホテルの一室を改装、賃貸料は払わない代わりに売り上げをシェアするという契約を結んでいる。完全予約で人数を正確に把握。仕入れの無駄がなく、調理の下準備もしやすいため「価格、質、サービスもすべてすしシェフがコントロールできる」(ブハダナ氏)。
「日本の街中で普通にお父さんとお母さんが2人でやっているすし屋からヒントを得た」という。2017年に1号店を開店。フロリダ州マイアミの元ベルサーチのマンション(現在はホテルに改装)にも開いた。このビジネスモデルをまねしたのか、ニューヨーク市内には時間制のおまかせすしを100ドル以下で出す店が出始めた。
(ニューヨーク=河内真帆)
[日経MJ 2019年2月11日付]
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