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高い成果・付加価値を創出できるマネジメントこそが求められる イラスト・よしおか じゅんいち

今、日本企業の人事は「重大な岐路」に立っている、と言ったら言い過ぎだろうか。かねて「人事」と書いて「ひとごと(所詮、他人事)」と揶揄(やゆ)する向きもある。しかし、ここから数十年の人事は「ひとごと」では乗り切れない。その理由は、日本企業が直面している(1)人手不足、(2)人材不足、(3)職場の機能不全、といった課題にある。

現在の日本では、既存事業の根幹を支える圧倒的な人手不足が生じており、新規事業や事業拡大に備える高度な人材も不足している。また、労働力を確保できたとしても、働く人々の雇用形態やキャリアが多様化しており、職場やチームとして直ちに機能し、成果をあげることが難しくなっている。そして、これら3つは景況によって即座に解決する見込みはない。人口減少社会において、企業が数十年間にわたって向き合わなければならない挑戦課題である。

多様性を強みに

人手不足に関しては、まず、現状と対処策を気鋭の経営・経済学者らが論じた『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』(玄田有史編、慶応義塾大学出版会・2017年)が示唆に富む。一般には、人手不足であれば賃金を上げれば問題は解決する、といった向きもあろう。しかし、思ったよりも賃金を上げることは難しく、また実際に上がらない。その理由を論じている。

人手不足のなかで注目を集めるダイバーシティ(人材の多様化)・マネジメントは、多くの企業で「やらざるをえないもの」と認識されている。しかし尾崎俊哉著『ダイバーシティ・マネジメント入門』(ナカニシヤ出版・17年)では、これがいかに近視眼的な視点かを指摘する。職場メンバーの雇用形態や属性が多様化していく今後の日本企業においては、むしろ、多様であることを活(い)かし高い成果・付加価値を創出できるマネジメントこそが求められる。

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