使いやすい・プロっぽい 「オレ道具」で家事を楽しく
家事へのハードルが高く、腰が重いという男性は多いだろう。「エイヤ!」と勢いを付けてくれるのがお助けグッズだ。主夫歴21年になる筆者(51)の「オレ家事グッズ」を紹介しよう。
家事の中でも料理は毎日欠かせないので大変。だからこそ、包丁は自分に適した、お気に入りの1本を見つけよう。
注意点は2つ。1つはプロ用が使いやすいとは限らないということ。プロ用は切れ味はいいが、メンテナンスの手間やコストが素人に続かないことも多い。2つ目は手のひらの大きさに合う包丁を選ぶこと。いくらよいと言われても、大きすぎたり小さすぎたりすると使いにくい。重さや刃の幅も検討したい。
筆者の愛用品は、ひとり暮らしを始めた10代のとき、スーパーで3000円ぐらいで買ったもの。いろいろ試したが、この包丁を頻繁に研いで使っている。その研ぎ器もスーパーで買ったものだ。
フライパンも同様に重要。表面加工のある高価なタイプもいくつか試したが、20代後半に手にした鉄製を四半世紀近く使っている。中華料理などは火力が勝負。鉄製は強火加熱に耐えられるが、表面加工タイプは多くが不可。しかも加工がはがれれば、ただの焦げつきやすいフライパンになってしまう。
湯で洗い流し 布巾で拭く
鉄製で焦げ付いたら磨けばいい。側面の焦げ付きも取り除ける。さび防止のため油を切らさないことが必要だが、実際は洗剤で洗うのを避けるぐらい。調理後、湯で洗い流し、布巾で拭き取る程度だ。
タイマー付きのレンジ台も調理を楽にしてくれている。買い替える機会があるなら、ガスでも電磁加熱器(IH)でもいいので、ぜひタイマー付きをおすすめしたい。
煮込み時間をセットし、自動的に火が消えるだけの機能だが、失敗が減って便利を痛感。筆者が利用するレンジ台は沸騰後のゆで時間が設定できる。固ゆで卵は夏は10分、冬は12分にセット。温度センサーと連動し、保温時間が設定できるのも重宝している。
掃除では窓用バキュームクリーナーが活躍する。窓拭きのポイントは拭き取り。汚れを水で洗っても、拭き取りを怠ると水滴の跡が残る。水滴は砂やホコリなどを含むため、そのまま乾くと窓に点々と汚れが残る。バキュームクリーナーは汚れが垂れる前に水滴ごと吸い込んでくれる。
窓の掃除は、使う機会がそれほど多くないので迷ったが、購入したら、予想以上の手応えに驚いた。高い場所の窓もきれいにしたいと、延長ポールセットまで購入したほどだ。あまりの使い勝手の良さに、近所の友達にも貸し出している。家事の便利グッズでつながる関係も悪くない。
スクレイパーも欠かせない。ガス会社の職員が訪れたとき、レンジ台にこびり付いた焼け焦げを削りとったのを見て知った。「それはなに?」と聞き、ホームセンターで購入したものだ。
床の汚れには、落ちたモノを踏み、こびり付いたものも多い。例えば、フローリングの床に落ちた消しゴムのカスは、踏むと手ごわい汚れになる。雑巾で拭き取るには力が必要だが、スクレイパーならサッとひとかきだ。
油やホコリ 滑らせて取る
特に台所の壁に貼るキッチンパネルの汚れを取るときに役立つ。放置すると飛び散った油にホコリが付着し重層化してしまう。スクレイパーをサーッと滑らせ、かき取った汚れを布で拭けば終わりだ。
フライパンの側面の汚れもスクレイパーで取る。ただ、刃を立てると傷つけてしまう。刃は滑るように丁寧に扱うのがポイントだ。
最後はアイロン台。以前は座るタイプを使っていたが、知り合いに「スタンドタイプのアイロン台を使うと効率がよくなる」と聞いて導入した。
座るタイプだとアイロンをあてた直後の袖が床に当たり新たなシワができていた。その不満が解消されたうえ、体がスムーズに動ける。「ちょっとプロっぽい?」「見えます、師匠! ついでに私のもお願い」「よっしゃ任せとけ!」という展開になれば、家族にも喜ばれるだろう。
まずは格好、道具からという人は少なくない。使いやすくて自分に合う、お気に入りのグッズを手にすることで家事スイッチが入るなら、それでいい。家事はみんなで楽しくしよう。
(家事ジャーナリスト 山田 亮)
[NIKKEIプラス1 2019年2月9日付]
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