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雑談と専門知識を組み合わせた接客が魅力だ

雑談と専門知識を組み合わせた接客が魅力だ

日本のタオル産業発祥の地、大阪府の泉州地域。約50年前からタオル生産を手掛ける丸中(大阪府泉佐野市)は昨年10月に初めて実店舗「ヒオリエ」を大阪市中央区に出した。日用品雑貨を取り扱う「ヒオリエ」(大阪市)で接客する番匠谷奈緒さん(33)は、友人のような距離感からの声がけと、専門知識を組み合わせた、自称「ギャップ萌え」の接客で顧客の信頼を勝ち取っている。

南海電気鉄道の難波駅に直結する商業施設「なんばスカイオ」。日本の伝統や文化の発信をテーマとした5階にヒオリエはある。番匠谷さんは開業に向けて採用された社員のひとりで、店の立ち上げから携わった。

店に立ち寄った客の歩くスピードや目線、止まるタイミングから、すかさずニーズを察知する。値札をちらちらとみる客には「ご予算はおいくらですか」と先に声をかける。特定の商品に真っ先にむかった客には「この色はとても人気ですよ」などと購入を後押し。状況に合わせた言葉を見つけ出す。

番匠谷さんが得意とする接客スタイルは世間話からタオルの専門知識までこなす「ギャップ萌え」だ。最初は雑談から入り、客に親近感をもってもらう。質問をうけた時はタオルや繊維の違い、生産方法など専門知識を多く盛り込んで返答する。「たわいない話をしていたのに『この店員はタオルにはとても詳しいのか』」と思ってもらうことで、客から信頼を得る。「実際に『三文字の店員さんは今日いますか』と問い合わせがきた時はうれしかった」

好みを分からず来店する顧客は多い。なるべく多くの商品の手触りなどを試してもらいながら、表情などをみて最適な商品を提案する。

客のしぐさからニーズを察知する観察眼は、前職の大手百貨店での営業が基礎になっている。高級革製品を取り扱う店舗に勤務し、営業力を磨いてきた。男性会社員が昼間に来店した時は「昼休憩中で急いでプレゼントを探しているのかもしれない」と、手短に話を終わらせるなど工夫を凝らしてきた。

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