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不調招く血流悪化をチェック 内から外から温めて予防 ふくらはぎのツボ刺激/脂っこい食事 控えめに

NIKKEIプラス1

2019/1/26付

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血液の巡りは生命を維持するための重要な役割を担う。血流が悪化すると、冷えや体の痛みといったさまざまな不調が現れて、動脈硬化などの原因になることもある。悪化する原因や予防法、改善策を知ろう。

血液は体中を巡りながら、呼吸で取り込んだ酸素や食事から取った栄養を全身の細胞に運ぶほか、二酸化炭素や老廃物を細胞から回収している。さらに各種ホルモンを体内で作用させる、ウイルスや細菌と戦う免疫細胞を必要な箇所に届けるといった働きもある。

脂っこい食事やストレス、運動不足などが続くと血液が流れにくくなる。血液中に悪玉コレステロールが増え、血液の粘度が高まり、いわゆるドロドロ血の状態になる。糖質が多い食事は血中の中性脂肪を増やし、血液がスムーズに流れにくい血管になる。

血流が悪化すると体が冷えて、血流はより悪くなる。東京有明医療大学教授の川嶋朗氏は「細胞に酸素や栄養が十分に届かなくなり、熱の産生力が弱くなって低体温になる。すると血液の温度が下がって、さらにドロドロになる。血管も収縮する」と説明する。

この悪循環がさまざまな不調や疾患を引き起こす。むくみや肌荒れ、便秘、肥満、月経トラブルや薄毛、勃起不全(ED)のほか、肩こりや腰痛などだ。血流の悪化で動脈硬化が起きると、心臓病や脳卒中の原因にもなるので要注意だ。

血流の状態をセルフチェックする方法がある。金沢医科大学総合内科学准教授の赤沢純代氏は「舌全体がサーモンピンク色なら問題ない。舌の裏の静脈が紫色っぽく浮き出ているなら、ドロドロ血で滞っている可能性が大きい」と話す。目の下にクマが出やすい、ふくらはぎがむくみやすいというのも、血流悪化の兆しだという。

血流を改善するには何をすべきか。「まずは体を冷やさず、温めて」と川嶋氏は勧める。太ももやおしり、二の腕など大きな筋肉がある部位は血流が多いので、重点的に温めると効果的。「デスクワーク中などに、湯たんぽやお湯を入れたペットボトルを当てるとよい」。代謝に不可欠な内臓があるおなか、副交感神経の中枢がある仙骨周辺(背骨の下端)も温めよう。40度前後の熱すぎない風呂にゆっくりつかるのも有効だ。

適度な運動で筋肉をつけることも心がけたい。筋肉は血液を心臓に送り出すポンプ機能と、体の熱を作り出す機能をあわせ持つ。一般的に男性より女性に血流悪化と冷えが起こりやすいのは、筋肉量が少ないためだ。

川嶋氏のお勧めは「普段の1.5倍のスピードで歩く、洗濯物を1枚干すごとに1回しゃがんでスクワットする、エスカレーターを使わず階段を上り下りする」こと。日常の動きに少し負荷をかけて筋肉をつけたい。

赤沢氏は血流に大きな影響を与える場所として、ふくらはぎをマッサージするよう勧める。ふくらはぎは第二の心臓とも呼ばれ、滞りがちな下半身の血液を心臓へ送るポンプの役割を果たす。「両手でさすり上げたり、血流をよくするツボ(イラスト参照)を下から上へ押したりして。毎日続けてほしい」

ドロドロ血を防ぐため、食事にも気をつけよう。脂っこいものを取り過ぎないようにする。菓子類や加工食品に使われるトランス脂肪酸の摂取はできるだけ控えたい。脂の中でも「サケやマグロ、イワシなど青魚に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)には血流改善の効果が期待できる。積極的に取って」(赤沢氏)。シナモンなど香辛料を使うのも、血流の改善に有効だという。

(ライター 松田亜希子)

[NIKKEIプラス1 2019年1月26日付]

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