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息子による親の介護 「脱完璧」のすすめ 仕事とは別物 プロの手を借り、孤立は避けて

2019/1/23付 日本経済新聞 夕刊

実の息子が在宅で親を介護する息子介護。男性は家事や介護のスキルが不足している人が多いうえ、周囲の助けを借りるのを潔しとせずに1人で責任を背負い込む傾向が強いとされる。ストレスをため込んだ結果、介護虐待に走ってしまうケースもある。息子介護をする際は、どこに気を付ければいいのか。ポイントを探った。

「介護している親についきつく当たってしまう。どうすればいいか」

「頭にきたときは怒っていい。介護する側がストレスをため込むのが一番良くないよ」

男性介護者の会で悩みを語り合う(東京都荒川区)

1月中旬。東京都荒川区社会福祉協議会の施設内で開かれた会合「男性介護者サロンM」。在宅で親や配偶者などを介護している男性が日ごろの悩みをざっくばらんに話し、解決法を探る場だ。主催は区内に住む男性介護者を中心につくる「荒川区男性介護者の会(オヤジの会)」。奇数月に開催し、偶数月には介護の知識を学ぶ定例会を開く。

90歳の母親を介護する同会副会長の神達五月雄さん(57)は「困っている状況を聞いてもらうことでストレスが和らぐ。新しい介護サービスなどについて情報交換もできる」と会の狙いを話す。この日は東京都昭島市の男性介護者の会のメンバーも見学に訪れた。

総務省の2017年の調査によると、働きながら介護をする男性は約150万人。実の息子が親を介護する例は増えており、厚生労働省の調査では、16年に息子が介護する割合が、嫁が義理の親を介護する割合を上回った。

だが、息子による介護には特有の難しさがある。「男性に主流の価値観が、時として介護の障害になる」と、男性介護の現状に詳しいケアタウン総合研究所(東京・新宿)の高室成幸代表は指摘する。

いまの中高年男性は、いくら介護で苦しくても「周囲に弱音を吐けない人が多い」(オヤジの会の神達さん)という。「仕事で困難を乗り越えてきたという自負があり、じっと耐えるのを良しとしてきた」(立命館大学の津止正敏教授)のが背景にある。親に自分の弱さを知られまいとして1人で抱え込んでしまうと、大きなストレスの原因になりかねない。

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