毛布は羽毛布団の上か、下か? 正解は素材で使い分け

NIKKEIプラス1

尾城徹雄撮影
尾城徹雄撮影

睡眠時に使う毛布は、肌に密着させるか、掛け布団の上にかけるか。そもそも掛け布団はどう選べばよいか――。少しでも温かく快眠できる寝具の使い方を紹介しよう。

まずは、寝具の確認から。寝具は洋服と同様、季節で使い分けたほうが熟睡できる。

快適に睡眠できる寝床内の温度は33度前後、湿度は50%前後。電気毛布などを使い事前に温めることもできるが、必ずしも必要ない。汗の湿気や体から発する熱が空気の層をつくるため、自然に温かい寝床ができあがる。

掛け布団として羽毛布団を使う場合、室温15度前後なら1枚だけでもいい。しかし、10度以下になったら、毛布を1枚加えたい。

羊毛やカシミヤ 湿気を熱に変化

毛布については羽毛布団の下に入れるか、上に掛けるか迷うところ。「毛布は掛け布団の上に掛けると温かい」との通説もあるが、実は「毛布の素材によって配置を変えたほうがいい」と西川産業、スリープマスターの杉原桃菜さんはアドバイスしている。

普及している羽毛布団を使い、毛布の素材がウールやカシミヤなどの動物性繊維であれば、毛布は体に沿うよう内側に入れて使うのが正解だ。動物性繊維には湿気を熱に変える性質がある。両者とも同じ動物性繊維だが、「毛布のほうが羽毛布団よりも体に密着するから」と説明する。

一方、アクリルやポリエステルなど化学合成繊維の毛布は、羽毛布団の上に掛けて使う方が快適。体に密着させると吸湿性がなかったり静電気が起きやすかったりで「肌触りや汗をかいたときの不快感につながる」(杉原さん)。上から蓋をし、羽毛布団が生む温度や湿度を逃さない使い方がベスト。肩口まで掛け、しっかり寒さを遮断しよう。

掛け布団は布団に含まれる空気の量が大きいと、保温力が高まる。素材もいろいろあるが、羽毛や繭糸で作られた真綿など動物性の繊維は空気をより含むため、保温性に優れている。なかでも羽毛布団は別格。高価なものも多いが、軽く温かく眠りたいならば良質な羽毛布団を選ぼう。

一方、植物性繊維や綿素材の掛け布団は吸湿性に優れている。そのため、こまめな日干しやメンテナンスが必要だ。羽毛布団は吸湿に加え、放湿性にも優れている。月1、2回陰干しするだけ、手入れが簡単というものも多い。

毛布ではなく、掛け布団を2枚重ねたいという人もいるかもしれない。しかし、「重い掛け布団を重ねて眠るのは避けた方がいい」と杉原さん。かさばると無意識で一晩20回程度している寝返りがしづらくなるうえ、体に重みが加わり、心地よく眠れなくなってしまう。高齢者や子どもなど体力がない人は避けよう。

冷たい敷布団は専用パッド使用

敷布団が冷たいのが悩みという人には、専用の敷きパッドの使用がおすすめだ。毛布を敷布団の上に重ねることもできるが、一晩でかく汗の量はコップ一杯と言われる。冬専用のパッドは就寝中の発汗に備え、通気性を良くするなど毛布にはない機能がある。

寝具の使い方の次は、就寝や起床時の習慣を見直そう。第一は、寝る少し前に、体を温めること。雨晴クリニック(富山県高岡市)の睡眠専門医、坪田聡副院長によると入浴はリラックスするので良いが、「入浴後すぐの睡眠はタイミングとしてよく眠れない要因にもなる」という。

その理由は「入浴すると深部体温が上がる。風呂から上がり、少しその体温が下がってからのほうがぐっすり眠れるから」(坪田さん)。人は手足などの末端や体の表面から熱を放出し、体の深部体温が下がることで眠くなる。

睡眠時に靴下を着用する人は多いが、あまり締め付けないものがおすすめ。また、起きた時の寒冷刺激を避けるために、室温を15度程度に設定しておくのもスムーズな目覚めにつながる。

冬は日の出の時間が遅いため、すっきり起きられない人は多い。「脳は睡眠時でも完全に眠っているわけではなく、見張り番のセンサーがあって光に反応する」という。そこでライトがついた目覚まし時計などを試すのも手。「起きる30分前ぐらいにつくように設定するとより快適に目覚められる」(坪田さん)

より温かく、上質な睡眠を確保するために、無理なくできる数々の工夫。早速、今夜から試してみてはいかが。

(ライター 北本 祐子)

[NIKKEIプラス1 2019年1月19日付]

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