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猟師雇いジビエ焼き肉おいしく 臭みなし、火加減絶妙

日経MJ

2019/1/18付

4種類のジビエ肉が楽しめる「ひととおり」(1120円)とオリジナルの「罠ハイ」(380円)。手前が2種類のシカ、奥左がキジの胸肉とイノシシのモモ

年間約48億円――。これは2017年度のイノシシによる農作物の被害金額だ。今年の干支(えと)イノシシは、害獣として生産者から嫌われる一方で、ジビエとして注目を浴びている。

害獣駆除とおいしいジビエ料理を両立するため、猟師を社員にして鳥獣の処理場まで設置した飲食店がある。このコラムで以前、ドリンク完全セルフ立ち飲み「ぼてふり」で紹介した飲食店グループ、夢屋(東京・渋谷)がそれだ。

夢屋は12年にジビエ肉を七輪で焼いて食べる「罠」を東京・八丁堀に開業し、成功。神田など都内に8店舗を構える。長野や川崎、広島でもライセンス店を展開する。「ジビエ=高級洋食」という構図を、庶民的な酒のつまみに変貌させた。

一般的にジビエというと、「臭い、硬い」とネガティブな印象を持つ人も多い。それは処理と流通に問題があった場合で、正しく処理したジビエ肉は臭みはなく、内臓までおいしい。捕獲後の処理で味と臭いは大きく変わる。1時間以内に血抜きをして内臓を取り出せば、臭みは残らない。血抜きをせず、放置すると臭いが強くなる。

夢屋では独自でジビエ肉を取り扱うガイドラインを作成し、全国の猟師・食肉加工場とつながった協業関係を築いてきた。いわば正しい処理ができる猟師と契約し、品質と供給の安定化を図ったのだ。

夢屋は、より一層の品質の向上と安定的に調達するために、直営で処理施設を運営することを決めた。猟師でもある江口政継さんを社員として雇い、18年に長崎県波佐見町に処理場を取得。さらに19年1月には福岡県の糸島に最新設備を整えた処理場を設置した。

糸島の処理場は年間1000頭を超える処理能力を持ち、近隣の処理場とも連携した。同じ場所に直売所を併設することで、一般客へのジビエ肉の販売も手掛けている。

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