乾燥する冬のハンドケア クリームなじませマッサージ

吉川 秀樹撮影
吉川 秀樹撮影

空気が乾燥する冬は、手荒れに悩む人も多い。手のガサガサやシワシワを改善する、効果的なハンドケアを紹介しよう。

爪のまわりがささくれたり、皮膚が裂けてしまったり。原因の一つが手洗いなどで皮膚膜を余分に洗い流してしまうことだ。うるおいを保つ皮膚膜が薄くなり水分が失われることで、かさついたり、かゆみが出たりする。

よしき皮膚科クリニック銀座(東京・中央)の吉木伸子院長は、「手を荒れさせる一番の原因は洗剤」と指摘する。洗剤が手の脂分を一緒に洗い流してしまうからだ。対策としては、水仕事をするときはゴム手袋を使い、台所用洗剤や掃除用洗剤などは少量でも触らないようにする。

手洗いの回数 必要最低限に

利き手でよく使う指の腹から荒れてくる。指紋が薄くなって白くかさつき、ひび割れ始めたら乾燥しているというサイン。「水にぬれている時間を減らし、こまめにハンドクリームを塗る」(吉木さん)ことで、あかぎれなどを発症するのを防げる。

風邪やインフルエンザ予防にと、1日何度も手を洗う人は多い。小さな子どもがいる家庭では除菌ソープを使い、念入りに洗う習慣を徹底しているかもしれない。しかし「洗いすぎはかえって不衛生になることがある」(吉木さん)。

健康な肌の皮膚膜にいる善玉菌は、外的刺激や雑菌から皮膚を守っている。手を洗うとその善玉菌を洗い流してしまう。手が荒れて角質のバリアー機能が壊れると傷口に悪玉菌が繁殖し、雑菌がつきやすくなる。「手洗い回数はなるべく少なく、せっけんは調理中の油など油性汚れを落とすときだけ使う」(吉木さん)のが正解だ。

手荒れが気になるなら、手を洗うのは帰宅時や食事の前、トイレの後などだけにしてもいい。「トイレの後はせっけんは使わなくて構わない」と吉木さん。除菌ソープは刺激が強いのでなるべく使うのを控える。白い浴用せっけんでも除菌効果は十分ある。

熱すぎる湯は肌の脂分を洗い流し、乾燥を促す。逆に冷水は血行不良を起こし、あかぎれやしもやけの原因になる。ぬるま湯がベストだ。

手洗い後は、すぐにハンカチで拭く。水分が蒸発するとき、肌のうるおいを奪うからだ。ケアを意識するならトイレにある温風乾燥は避けよう。手洗い後ハンドクリームを塗り、保湿する習慣をつける。「手が荒れると皮膚が弱くなり、引きずってしまう。予防が大事」(吉木さん)だ。

血行の悪化も 手荒れの原因

乾燥で手荒れがひどくなると思いがちだが、「指先が冷えて荒れてくる」と吉木さん。寒さで血行が悪くなると、血液から栄養をもらう肌へ酸素や栄養が届かなくなる。手の若返りやケアを提唱する日本ハンドビューティー協会(東京・港)代表、加藤由利子さんも「乾燥より、血管の老化が原因。心臓から遠い指先から栄養不足になる」と指摘する。

手荒れの改善にはハンドクリームを塗りながら手をほぐすなど、マッサージが有効だ。

手の甲にクリームをたっぷり取り、すりこむようになじませる。そのあとに、手を流れる血管を刺激するようにマッサージ。皮膚が少し赤くなるくらいまで、強めに圧をかける。血行が良くなり、指先まで温かくなる。「3カ月しっかりやると、効果が目に見えて出る」と加藤さん。

ハンドクリームは症状に合わせて使い分けたい。ただし、成分よりもベースとなる基剤が良いものを選ぶことがポイントだ。吉木さんは、「ベタつかず、うるおいが持続するものを」とアドバイスする。手荒れがひどい場合はクリームタイプがいい。

加藤さんはハンドクリームを塗る前に顔用などの化粧水をつけることをすすめる。「ハンドクリームは油がベース。保湿力がない」ためだ。

角質で固くなっていたら、皮膚を柔らかくする尿素配合がおすすめ。ただし、「使い続けると皮膚が薄くなる原因にもなる。改善してきたら切り替えを」(加藤さん)。手荒れがひどく、ひび割れていると尿素の成分はしみる。ささくれなど乾燥がひどい、傷口があるといった場合は、低刺激のワセリンやシアバター配合のコクのあるクリームでケアする。

こまめなケアをして、うるおいのある手元を目指そう。

(ライター 児玉 奈保美)

[NIKKEIプラス1 2019年1月12日付]