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豪華なおせちいつから? 元は飾り、バブルで派手に

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NIKKEI STYLE

もうすぐ正月。スーパーやコンビニの店頭にもおせちの材料などが続々と並び始めた。かたや百貨店では豪華な重詰めおせちを注文する人だかり。由来は何? いつからこんなに派手になったのだろう。

12月中旬、東京・日本橋の高島屋の特設会場には黒山の人だかり。お目当ては豪華絢爛(けんらん)なおせち料理だ。数の子、黒豆などの定番に加え、伊勢エビに松葉ガニ、中華風など、有名料亭やホテルなどが華やかさを競う。

富士経済によれば重詰め(完成品)おせち市場は約600億円(2017年)で拡大傾向。ところが「百貨店で見かけるような豪華なおせちは、雑誌などの影響を受け戦後に誕生したもの」だという。教えてくれたのは、日本の民俗学に詳しい国学院大学の新谷尚紀教授。

正月のぜいたくな料理がおせち料理ではなかったのか?おせちの起源はどこにあり、一体いつからこんなに豪華になり始めたのだろう。

そもそも「おせちとは正月やひな祭りなどの五節供(現在の節句)に神様に供える『御節供(おせちく)』のこと」(新谷教授)。神様に供えた食事を下げて家族で食べる直会(なおらい)の食べ物が起源だという。時期は稲作が広まった弥生時代に遡り、奈良時代から平安時代にかけて定着したともいわれるが「定かではない」(同教授)。

江戸後期には、数の子や田作り(ごまめ)、たたきゴボウなどの祝いざかなをおせちとして用いていたとの記載が「諸国風俗問状答」にある。これらには、それぞれ子孫繁栄や健康で暮らせるようにとの願いが込められていた。

今のおせちとの決定的な違いはその形。当時のおせちは三段重スタイルではなく、左の江戸時代の歴史資料にもあるように、三方に松竹梅やミカン、栗、伊勢エビなどの縁起物を飾った「食い積み」(丸印の部分)と、ご飯、魚、煮物などの「本膳」の2本立て。中身も大名家ですら、芋や豆など質素なものだった。

また、食い積みは年賀に訪れた客人に出すが、実は食べるふりだけ。飾りの意味合いが強かったという。幕末から明治期に入り、形式的な食い積みが廃れ、祝いざかなを重箱に詰めたものが残ったともいわれる。

そして明治後半。雑誌「婦人の友」などで重詰め料理が正月料理として紹介されるようになる。大正期には品数も増え、刺し身の重もあったという。試行錯誤を重ねながら、口取り、焼きもの、甘煮、酢の物に収束していった。

これらが広がったのは、戦前の女学校などで実施された「かっぽう教育」の影響もあるようだ。「それまで地域ごとに様々だった正月料理が、次第に全国統一されるようになった」(国立歴史民俗博物館の山田慎也准教授)。ただし、当時は口どりや松竹梅を模した野菜の煮物など簡単なものだった。

戦後、高度経済成長を背景に、雑誌が紹介するおせちは見た目も派手になっていく。さらに昭和後期のバブル景気に乗り、百貨店や高級料亭が販売するようになったのが今の豪華なおせちの始まりだ。

女性誌が提唱する高級イメージに合致した"伝統的なおせち"が都市部の中間層を中心に定着したのはこの頃とみられるという。洋食、中華など和食以外もおせちとして用いられるようになっていく。おせち売り場にいた都内の主婦(45)も「子どもに伝統行事を教えたい」と毎年百貨店で買うという。作る時代から買う時代へ移行している。

さらに今、犬用おせちにお一人様おせち、インスタ映えを意識したパフェ風おせちなど年々多様化。平成最後の正月、来し方を振り返り行く末に思いを巡らせ、自分らしいおせち料理で祝おう。

◇  ◇  ◇

一つ100円で華やか 手軽に

ここ数年話題なのがローソンストア100(東京・品川)の「100円おせち」だ。栗きんとんや数の子などの定番商品が一つ100円で手に入る手ごろさが人気の秘密だ。単身世帯はもちろんのこと、好きなものを必要な量だけ楽しみたいという消費者の需要にマッチしている。2012年の販売開始以来好調で今年は95万個の販売を見込んでいるという。

記者も早速、複数の「100円おせち」を買い、ワンプレートに盛ってみた。切って盛りつけるだけでそれらしくなる。所要時間は30分程度。飾り切りなど楽しむ余裕も生まれた。おせち料理には、日ごろ忙しい女性を休ませる意味合いがあるというが結局毎年せわしなく過ぎていく。今年こそは身も心もゆったりとした気持ちで新しい年を迎えたいものだ。

(松原礼奈)

[NIKKEIプラス1 2018年12月22日付]

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