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時短家事

逆転の発想で断捨離 「絶対捨てない」を選ぶ 生活コラムニスト ももせいづみ

2018/12/23 日本経済新聞 夕刊

物が多すぎると掃除や整理の家事時間も増えるし、収納場所にかかる家賃も無駄。時短視点からも、物は少ないほうがいい。そこで断捨離しよう!ということになるのだが、「なかなか捨てられない」という人も多いはず。

「断捨離しすぎて後悔」「結局また増えちゃった」という声も多く、「捨てる」判断はなかなか難しいものだと思う。では、こんな発想の転換はどうだろう。

断捨離は「捨てる」「ごみにする」視点で物を選ぶので、「もったいない」「いつか使うかも」「捨てたら後悔しそう」という気持ちが邪魔をしがち。だから逆に、「絶対に捨てないもの」を選んでまとめてみよう。

食器や道具類に絶対捨てられない思い入れのあるものがあれば、それを収納の中心に置いて、日常使いにする。大事な思い出の品がしまい込まれているなら、目に付きやすいところに出す。アルバムや子どもの作品など、飾るには量が多すぎるものは、小さくまとめたり、写真に撮ってデジタルフォトフレームにしたりなど、見やすい形に変えることを考えてみる。

要は、大切な物やいい物をしまい込んで、何でもないもので代用することをやめ、「絶対に捨てないもの」から選んで、どんどん見て使っていこうということ。

「捨てる」物を選ぶより、「絶対捨てない」ものを選ぶほうが楽しいし気持ちもラク。そうして「どこが好きなんだろう」「どうして選んだのかな」「なぜ手放せないのだろう」を考える時間をたくさん持つと、自然といらないものが見え始めて、「もったいない」「いつか使うかも」という気持ちが整理されてきたりもする。

洋服類は、「入らないけど痩せるかも。もう一周流行が回るかも。高かったし」といった理由も入り込んでくるので、まずは着てみよう。入らなければ迷わず廃棄。同じデザインがまた流行しても、前とは微妙に違って痛々しくなることも多いので、入ったら、用事を作って一度着て出かけてみる。なんか変と思うなら潔く廃棄。大丈夫そうだったらどんどん着よう。

洋服は売っても二束三文のことが多いので、元の価格は忘れて。子どもや孫が着るかもと思う気持ちも捨てる。多くの確率で誰も喜ばない。それでも、大好きだった思い出の服があるなら、布地やボタンでコサージュやポーチなどをリメークしてみるのも手。

「何を捨てないのか」を決めることは、これから先の生き方のビジョンにも関わっていくように思う。捨てずに残った物こそがその人の歴史であり、一見無駄に見えても人生の大きなスパイスになることもある。自分にとっての大事なものは何なのか。新しい年に向けて、こんな「捨てない」を選ぶ暮らしの棚卸しもいいのでは。

ももせいづみ
東京都出身。暮らし、ライフスタイルを主なテーマとするコラムニスト。本コラムを含め、自著のイラストも自ら手がける。「新版『願いごと手帖』のつくり方」(主婦の友社)、「やれば得する!ビジネス発想家事」(六耀社)など著書多数。

[日本経済新聞夕刊2018年12月18日付]

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