日常生活の動作のなかでいつもより息苦しそうにするなど、ふだんと違う呼吸苦が見られるが、患者自身が気づかないこともある。

「患者自身だけでなく、周囲も気づくことで早期受診につながる」と武知院長は同居する家族や介護担当者などの協力の大切さを強調する。

COPDは進行性の病気で、まだ根本的な治療薬はない。病状を改善して動けるようにすることや、急性増悪の予防のために患者自身が急な病状の変化に対処できるようにすることが大切だ。リハビリなど自己管理を続けることで「急性増悪による入院や救急外来の受診が40%減る」(武知院長)という。医療機関などによるCOPD患者のためのリハビリ指導も増えていて、早めの診断を受けるようにしたい。

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国内に530万人 自覚ない患者も

国内のCOPD患者は約530万人と推定されているが、実際に診断されて治療を受けているのは約26万人にとどまる。

症状が出てもCOPDと気づかない患者も多く「カゼをこじらせた、くらいに思っている人も多い」と東京医科歯科大学の烏山一教授は指摘する。

世界保健機関(WHO)によると、COPDによる世界の死者は2016年に約300万人にのぼり、虚血性心疾患、脳卒中に次いで3位だった。またCOPDになると狭心症や糖尿病などを併発しやすい。

現在は気道を広げる薬などで症状の改善はできるが、根本的な治療薬はない。東京医科歯科大の研究グループが、白血球の一種「好塩基球」が発症に関係していることをマウスの実験でつきとめていて、治療薬の開発につながる期待がある。

(編集委員 小玉祥司)

[日本経済新聞夕刊2018年12月12日付]

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