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歴史や空間飛び越えて 美術展、VRで作品世界を体感

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仮想現実(VR)や高精細の4K映像といった最新のデジタル技術を使い、作品が本来展示されている空間を再現する美術展が増えている。作品世界をより深く理解してもらうのが狙いだ。

「ルーベンス展」(2019年1月20日まで)を開催中の東京・上野の国立西洋美術館を訪ねると、展示室手前のベンチに多くの来場者が腰掛け、巨大スクリーンを見入っていた。映し出されているのは、ベルギーの古都アントウェルペン(アントワープ)にある聖母マリア大聖堂。主祭壇と両脇にある「キリスト昇架」「キリスト降架」「聖母被昇天」の3部作などを高精細な4K映像で鑑賞できる。

これらの作品は日本ではアニメ「フランダースの犬」に登場することでも有名な大作だ。ルーベンスは17世紀初め、イタリアから故郷のフランドルに帰還して3部作を手掛け、名声を確立した。生涯を語る上で欠かせない作品だが「大きい上に聖堂の根幹をなす作品のため、どうしても日本には持って来られなかった」(主催するTBSの佐藤麻理子プロデューサー)。

そこで実物と同じ高さ4メートルのスクリーンを用意し、実物大の映像を流すことにした。聖堂内の光の移り変わり、足音などのざわめきも忠実に再現。鑑賞者はまるで聖堂内の椅子に座っているかのような気分で祭壇画を眺められる。「画家の作品が現地でどのように親しまれてきたかを感じてほしい」と佐藤氏は言う。

出展できない作品を再現

展覧会に出展できない作品をVR映像で再現するのが、来年3月から東京国立博物館平成館(東京・台東)で始まる「国宝 東寺」だ。真言宗総本山の京都・教王護国寺(東寺)で空海が密教の教えを視覚的に仏像で表現したといわれる立体曼荼羅(まんだら)が目玉の一つだ。

曼荼羅を構成する21体のうち、15体が出展される。全てを見たいという声に応えるため、隣接する東洋館の専用シアターで21体全てをVRで再現する。制作を担う凸版印刷はレーザー光を使った計測と高精細な写真撮影をもとにデータ化。博物館内で立体曼荼羅を疑似体験できるようにする。

同社はこれまでイタリアのシスティーナ礼拝堂や京都の金閣寺(鹿苑寺)など100以上のVR作品を制作してきた。植山秀治文化事業推進本部アライアンス開発部長は「現物を見たうえで、さらに知識を深めるためにデジタルコンテンツの活用は有効だ」と強調する。

19世紀末のウィーンの街並みを再現

デジタル技術を活用して作品が誕生した経緯や時代背景への理解を促そうとするのが、国立新美術館(東京・港)で来年4月に始まる「ウィーン・モダン」だ。主催の読売新聞社は大日本印刷と共同で、ウィーン・ミュージアムが所蔵する19世紀末ウィーンを再現した縦横約5メートルの大型模型をあらゆる角度から約2000枚撮影。建物の壁のわずかな凹凸も再現した5分間の映像に仕上げる。

19世紀末、ウィーンが近代都市へと生まれ変わる中で、クリムトら気鋭の芸術家が台頭し新たな文化が花開く。こうした時代背景は従来の展覧会では文章や写真で説明されることが多かった。より精巧な映像で見せることで「当時のウィーンにタイムスリップするような感覚」(読売新聞社文化事業部の南玲子氏)を持ってもらうのが狙いだ。

国立新美術館で開催中の「ピエール・ボナール展」(17日まで)は新開発のVR装置を使い、作品を描く上で画家が見ていた世界を追体験できるようにした。19世紀末~20世紀前半にフランスで活躍した画家が実際に過ごしたアトリエや作品に描いた風景を360度撮影。現実の風景が絵画に落とし込まれるまでの変化をCG(コンピューターグラフィックス)で表現し、プロジェクションマッピングで特設室の壁に投影する。

ボナールが暮らした町や家を身近に感じられるだけでなく、実際には遠くに見える山が絵画では強調されたり、はっきり見えていたはずの手前の静物がぼやけて描かれたりする作品の特徴を体感的に理解できる。

作品が本来展示されている空間や画家が見ていた風景を再現する技術の登場により作品世界をより深く理解できるようになり、美術展に新たな楽しみ方が加わった。この流れは今後さらに加速しそうだ。

(岩本文枝、梅野悠)

[日本経済新聞夕刊2018年12月10日付]

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