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肺炎・脳梗塞・ストレス… 声は健康のバロメーター

2018/11/28付 日本経済新聞 夕刊

写真はイメージ=PIXTA

「声がかさつくようになった」「話が聞き取りにくいと言われることが増えた」など、自分の声の変調に心当たりはないだろうか。声は肺炎や脳梗塞などになるリスクを知らせてくれる健康のバロメーターだ。人の耳では気づかない微妙な声の変化を解析して、心の健康維持につなげるサービスも始まっている。

「『あー』と声を出してみて、声が10秒続かなかったら黄信号です」。国立病院機構東京医療センターの角田晃一医師は指摘する。息が漏れるばかりで声にならない「かすれ声」を加齢のせいと諦めるのは禁物だ。

声がかすれる原因は声帯の異常にある。左右2枚の薄い膜からなる声帯は、閉じたり開いたりすることで肺につながる気管の蓋をする役目を担っている。さらに声帯がぴったり閉じた状態のところを呼気が通過すると、膜が細かく振動して声になる。

ただ、加齢によって声帯やその周辺の筋肉が萎縮すると、2枚の膜がぴったり閉じず、声を出すときに呼気が隙間から漏れ出してしまう。声がかすれる原因だ。

角田医師は「声帯の萎縮は健康を脅かす」と警鐘を鳴らしている。一つは誤嚥(ごえん)性肺炎。健康なら食道に流れる食べ物や液体が気管に入り込んでも、声帯がブロックし、むせることで異物を押し返すことができる。しかし声帯が萎縮すると、異物の流入を防げなくなり、肺炎につながるおそれがある。

さらに、肺に息をため込めなくなるため、全身に力を入れて踏ん張ることも難しくなる。歩くときや立ち上がるときに力を入れられず転倒につながることもある。

声の響きが悪く、くぐもって聞こえる場合にも注意が必要だ。首が不自然に曲がって、頸(けい)動脈の一部に負荷がかかっており、脳梗塞につながる恐れがある。角田医師は「声の変調は自分では気がつきにくい。少しでも気になったら、耳鼻咽喉科を受診してほしい」と呼びかけている。

声に注目して心の健康を計測するサービスも始まった。

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