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ゲーム依存は病気 WHO認定、医療機関に患者の列

2018/11/26付 日本経済新聞 朝刊

世界保健機関(WHO)はオンラインゲームなどにはまり、他のことが手に付かなくなる「ゲーム障害」を精神神経系の病気の一つに位置づけた。だが、「病気」と言われてもしっくりこないという声も聞く。どんな症状だと「患者」と判断されるのか。裏付けとなるデータはあるのか。

「僕はゲームをすることが問題とは思わない」。神戸大学医学部付属病院のネット・ゲーム依存外来を、母親に連れられて訪れた高校1年の男子は言い切った。成績が落ちていると気付いているが、「ゲームが悪いのではなく勉強の仕方の問題だ」と反論した。

診断した神戸大精神医学分野の曽良一郎教授によると、こうした患者でも2人きりでじっくり話すと「このままでは進級できそうもなく不安だ」などと本音を語りだす。1時間ほどやりとりしながら、治療の糸口を探っていく。薬物依存などに似ているという。

WHOは今年6月に公表した新しい国際疾病分類ICD―11に、「ギャンブル障害」と並ぶ形でゲーム障害を入れた。(1)ゲームをする時間や頻度を制御できない(2)ゲームが他の関心事や行動に優先する(3)問題が起きても続ける(4)個人、家庭、学業、仕事などに重大な支障が出ている――の4つが12カ月以上続く場合にゲーム障害とみなす。

2011年に国内の病院で初めてネット依存治療研究部門を設けた久里浜医療センターの樋口進院長によると、特に注目すべきなのは(2)だ。ゲームの時間確保が最優先で生活が乱れる。食事、睡眠、排せつといった生きていくうえで必要な行為すら二の次になる。単なる「ゲーム好き」ではなく、依存症で、病気ととらえるべきだという。

神戸大病院、久里浜医療センターともに予約は2カ月くらい先までいっぱいだ。患者は中高生の男子が目立つ。これらは「氷山の一角」にすぎず、受診しない人も大勢いるとみられる。曽良教授は、患者数が国内に数百万人いるとされるアルコール依存症並みに多い可能性もあるとみる。

米国のゲーム関連業界からはWHOの方針に反発が出た。米エンターテインメント・ソフトウエア協会は「ゲーム障害を定義し診断できるだけの客観的な根拠はない」と声明を出した。

■MRIなど活用

オンラインゲームなどを続けると、脳の構造や働きに薬物依存のような変化は現れるのか。磁気共鳴画像装置(MRI)などの検査データを使って調べる研究は緒に就いたばかりだ。

ICD―11にゲーム障害を含めるよう、13年ごろWHOの担当官に初めて提案したのは樋口院長だ。「軽くあしらわれた」ものの、久里浜医療センターとオンラインゲーム依存などの共同研究を始め、国際会議を重ねるうちにデータが増えて理解も深まった。当時は「これほど大きな問題になるとは思わなかった」と同院長は振り返る。

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