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シミュレーションを通じて、ガスと電気をセットにしたお得な料金プランを提案する

ガス会社が住まいのトータルコーディネートを提案――。大阪ガスリビング営業部の上田健司さん(26)はお得なガス料金プランにとどまらず、電気とのセット料金やシステムキッチンといった周辺機器を薦めるなど顧客の困りごとに耳を傾け、幅広い提案ができるよう心がけている。電気やガスの小売り全面自由化で電力会社と垣根を越えた競争が生まれている中、攻めの姿勢で挑む。

買い物客でにぎわう10月の土曜日。イオンモール四條畷(大阪府四條畷市)の一階広場では、大阪ガスの展示会「ガスてん」が開催されていた。抽選券を片手にした来場者が現場スタッフと歓談している。

大阪ガスは毎年10~12月、営業エリアの関西地区にあるショッピングセンターや百貨店、スーパー、商工会議所などのスペースを借りてガスてんを開く。もともと顧客向けの謝恩イベントとして実施していたが、近年はエネルギーの料金見積もりを依頼する顧客が多い。2016年4月に電気、17年4月にガスの小売りが全面自由化となり、一般消費者でも様々な料金プランを選べるようになっているためだ。

ガスてんを企画する上田さんは「顧客と信頼関係を築けるよう真摯に話を聞くことを大切にしている」と話す。ガスや電気の使用量は家族構成によって大きく変わる。例えば、子どもが中学生に進学して部活動でスポーツを始めると、光熱費が増えたりすることがある。「子どもの成長など将来のことも考えながら顧客視点を第一にする」

エネルギーの自由化により大阪ガスは電気の販売が可能になったことから、見積もりの依頼があった顧客にはセット料金「ベースプランA-G」を提案することが多い。電気とガスを同時に購入することでお得になるが、ライバルの関西電力もセット料金で攻めている。実は近畿地方は全国でも、ガスの切り替えが激しい地域。「テレビCMが多く放送されていて競争は激しい」と話す。

そこで、上田さんが力を入れるのがシステムキッチンなどを含む住まいのトータルコーディネートを提案することだ。現場で印象に残っているのは「同じ住居に20年ほど住んでいる」と話していた来場者に最新のガスコンロを提案し、高い関心を持ってもらえたこと。「料理が楽になりますよ」などと紹介すると会話が弾んだという。「ガスだけでない総合エネルギー会社として見てもらいたい」と話す。

15年に大阪ガスに入社した上田さんは販売代理店が手掛けるガスサービスショップへの営業などを経て、18年4月からガスてんの企画・運営を手掛ける。ガスてんには代理店のスタッフも立つことから、営業時代に培った代理店との信頼関係も大切にする。

大阪ガスはキッチンなど水まわりやエアコンの修理、ハウスクリーニングなど住まいの困りごとに対してワンストップで対応する「住ミカタ・サービス」を手掛けるなどサービスの幅を広げている。17年4月からは月額216円で修理などに対応する「住ミカタ・プラス」を始めた。今後はこうした新サービスの認知度を高めて「大阪ガスの良さを改めて知ってもらいたい」という。

(杜師康佑)

[日経MJ2018年11月19日付]

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