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重曹・セスキ炭酸ソーダ… 自然派洗剤を使いこなす

NIKKEIプラス1

2018/11/10付

尾城徹雄撮影

重曹、セスキ炭酸ソーダ、クエン酸。100円ショップで購入できる「自然派洗剤」が人気だ。この3つの白い粉末洗剤を使い、効果的に汚れを落とす方法を紹介しよう。

一般的な家庭用の洗剤は、台所や風呂、トイレなどそれぞれの汚れを落としやすく製造した合成洗剤だ。一方、重曹はベーキングパウダー、クエン酸は酢と同じ成分。微生物により分解されにくい合成洗剤に対し、環境への負荷が低いことから「自然派洗剤」と呼ばれる。もっとも、洗剤用なので口にしてはいけない。

重曹やクエン酸、セスキ炭酸ソーダは100円ショップで手軽に買える。重曹とセスキ炭酸ソーダはアルカリ性で、クエン酸は酸性だ。アルカリ性は油や皮脂汚れ、酸性は水アカや尿石の汚れを落とすのが得意だ。

それぞれ単独でも使えるが、「混ぜるなど、工夫することで掃除の楽しみが広がる」と家事研究家でベアーズ副社長、高橋ゆきさんはアドバイスする。

■まずは重曹で 様々な場所を

アルカリ性の洗剤は油や皮脂、手アカなど酸性の汚れを中和して落とすが「まずは重曹がおすすめ」と高橋さん。重曹は頑固な汚れを落とす研磨力に加え、生ごみや靴下など酸性の臭いも中和し消してくれる。重曹だけで台所や風呂、トイレなど様々な場所で使えるため、複数の洗剤を買いそろえる必要がない。

重曹は水と混ぜてスプレーボトルに入れて液体洗剤として使う。また、重曹2に対し水1の割合で混ぜて作る「重曹ペースト」をスポンジにつけても利用できる。重曹の濃度が濃いほど強力で、一度作ったら2週間程度は使える。ただ、放置すると分離するため使用時によく振ろう。

洗浄力はさらに強化できる。ガスやIH(電磁誘導加熱)コンロ周りの油やホコリ、焦げなどが混じった汚れには「重曹とハンドソープなどを混ぜ、少し汚れの上に置いておくといい」(高橋さん)。ハンドソープに含まれる界面活性剤の効果が加わる。

ただ、研磨力が強いため、鏡やステンレスなど、傷がつきやすい素材に使う際は要注意。目立たない場所で試したほうがよい。粒子が粗いので乾いた後、忘れずに粉が残らないようにしっかり拭いたり、水で流しきったりしよう。

セスキ炭酸ソーダは油や血などタンパク質の汚れに強い。重曹よりも油に対する洗浄力が強く、キッチンの魚焼きグリルの掃除などに向く。また、水に溶けやすく、分離しない点が重曹とは異なる。スプレー液を作ったら、1カ月以上使うことができる。

もっとも、アルカリ度が若干高いため肌荒れの原因になりやすい。使うときはゴム手袋を着用した方が安心だ。

酸性のクエン酸は、給湯ポットの中のカルキ汚れや洗面台や風呂場の浴槽などの水アカ、トイレの尿汚れなどを落としやすい。他の2つと同様に水溶液や水と混ぜてペーストにして使う。浴槽や風呂おけの水アカは水と混ぜたクエン酸のペーストを塗り、ラップを張るときれいに落ちる。

重曹×クエン酸の合わせ技もある。排水口に重曹を振りかけ、水とクエン酸を混ぜた水溶液をスプレーすると化学反応を起こして発泡する。「泡が汚れをゆるめ、落としやすくしてくれる」(高橋さん)

■塩素系混ぜず 空間も分けて

危険なのはクエン酸と塩素系の洗剤や漂白剤、カビ取り剤などを混ぜること。塩素ガスが発生するためだ。同じ空間での使用も厳禁。狭いバスルームでたくさん反応させると、酸素濃度が低くなり、危険性もずっと大きくなる。

洗濯や掃除など洗浄に詳しい横浜国立大学大学院の大矢勝教授は、「塩素を含まないものならば混合してもそれほど危険なことはない。ただ、大量に使うのは避けるべきだ」と指摘する。塩素系洗剤は「混ぜるな危険」と表記がある。手持ちに該当するものがあるか、確認しておこう。

粉末の状態では見分けがつかない。購入時の袋のまま、または容器に移すならば明記して保管しよう。

意外な使い方もある。高橋さんは重曹とクエン酸を2対1の割合で混ぜて入浴剤代わりに使うという。「発泡して心地よく、また、消臭効果が期待できる」(高橋さん)。濃度を変えたり、風呂に入れたり。それぞれの性質を理解して工夫すれば、掃除も楽しくはかどりそうだ。

(ライター 北本 祐子)

[NIKKEIプラス1 2018年11月10日付]

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