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是枝裕和監修の映画『十年』 アジアの不安な未来映す

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NIKKEI STYLE

10年後の社会を新鋭監督が描いた香港のオムニバス映画「十年」。その日本版が公開され、タイ版も東京国際映画祭で上映された。多様な社会問題が山積する日本、圧政に鋭く反応したタイ。それぞれのアジアの不安が映る。

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「十年 Ten Years Japan」の第1編「PLAN75」はお年寄りの穏やかな笑顔をとらえたテレビCMに始まる。広告主は厚生省人口管理局。高齢化が進んだ10年後の日本で安楽死を奨励する国の事業だ。

弱者に不寛容な風潮に憤り

公務員の伊丹は老人を勧誘する。標的はコストがかかるのに経済活動に貢献しない低所得者や障害者。金も身寄りもなくショートステイを渡り歩く老人は喜んで申し込む。伊丹の妻は認知症の母の介護に悩み、プラン適用を考えている。子供が生まれるし、仕事にも復帰したいから……。

「弱者に不寛容な風潮に憤りを感じる」と早川千絵監督。相模原の障害者施設殺傷事件、「透析患者を殺せ」という主張、生活保護へのバッシング。「一見合理的な制度の根底にある危険な考え方を表現した」

他4編の題材も多様だ。人工知能による道徳教育、個人情報の流出、原発事故、徴兵制。それぞれの問題意識は各監督の生活実感や社会体験に発する。母のデジタルデータを見た娘が出自に疑念を抱く物語を作った津野愛は「身近にあって恐怖を感じていることを選んだ」。管理教育からの逃走を描いた木下雄介は「子供が生まれ、道徳の教科化が始まった」ことから発想した。

藤村明世が地下で暮らす子供たちを描いたのは「10年前、原発事故で空気が怖いと思うなんて予想しなかった」から。徴兵制のPRポスターを担当する広告マンを描いた石川慶は「作り手が戦争にどう巻き込まれていくかに興味があった」。

一方「十年 Ten Years Thailand」は軍政下のタイ社会を反映し、全体主義のディストピアを描く。

兵士らが写真展を検閲するアーティット・アッサラット作品、猫が支配する世界に残された人間を描くウィシット・サーサナティヤン作品、将校がスマホで人々の行動を制御するチュラヤーンノン・シリポン作品、独裁者の銅像のある広場で過ごす人々と開発の光景を凝視するアピチャッポン・ウィーラセタクン作品。

プロデューサーのカッタリーヤー・パオシーチャルーンによると、以前から芸術表現の自由に関する映画の企画を進めていたが、2014年の軍政移行でストップ。その後、雨傘運動を契機に作られた香港版「十年」(15年)に触発され、日本、台湾と共にこの国際プロジェクトに参加した。

社会的な映画、出資者が敬遠

「我々は同じタイにいて同じ政治状況を体験し、将来に不安を抱いている。社会にメッセージを発信したかった」とパオシーチャルーン。政治的な主題に尻込みするスポンサーが多かったが、5月のカンヌ映画祭で初上映。12月の自国上映に向けて準備をしている。

社会的な映画が出資者に敬遠される状況は日本にもある。日本版のエグゼクティブプロデューサー、是枝裕和は「成立しにくい企画。でも低予算、オムニバス、若手という枠組みで、突破口が開けるんじゃないか。香港の企画が他地域に波及することで、若手もアジアの作り手の一人であることを意識できる」と語る。

中央政府の人権抑圧に対する危機感から生まれた香港版に比べると切実さは薄い。ただ「ある種の漠然とした不安があり、それが日本ではリアル。良くも悪くもそんな日本の状況が反映している」と是枝は語った。

(編集委員 古賀重樹)

[日本経済新聞夕刊2018年11月6日付]

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