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進化するペットボトル 10グラム台続々、形状に意味

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無色透明なコーヒーや紅茶、コーラなどが登場して話題のペットボトル飲料。中身だけでなく容器のペットボトル自体も進化しているのにお気づきだろうか。どんな工夫が詰まっているのか。秘密を探った。

「最近のペットボトルは重さを感じない。右利きだけど、左手でも簡単につぶせる」。東京都千代田区の会社に勤める奥愛理さんは、笑顔でこう答えた。「捨てるのに場所をとらないので、いいんじゃないですか」

1960年代に米国で基礎技術が確立されたペットボトル。日本では82年に食品衛生法改正で清涼飲料用に使うことが認められ、ガラス瓶に代わって一気に広まった。PETボトルリサイクル推進協議会によると、2016年の出荷量は227億本にもなる。

ペットボトルは中身の飲料を保護するため、輸送しても壊れない、人が手に持って圧力を加えてもつぶれないなどの強度が必要だ。どんな工夫をしているのだろうか。ペットボトル製造大手の東洋製缶を訪ねると、技術開発統括室の細貝卓さんが「折り紙の理屈を使って耐久性を高めているんです」と教えてくれた。

ボトルをよく見てみよう。側面に様々な凹凸がついている。「これは単なるデザインではなく、意味がある」(細貝さん)。リング状のへこみ(リブ)は横方向への強度を増すためのもの。パネル状のへこみは、飲料を冷やしたときに生じる減圧によるへこみを吸収するためのものだという。

炭酸飲料と非炭酸系では底の形状が違っている。非炭酸系は少し内側にへこんだ凹状なのに対し、炭酸系は突起物が5つ付いている。これは内部のガス圧を分散して耐久力を高めるとともに、ボトルを自立しやすくする工夫だ。

蓋をひねって外したあとの口の部分も注意して見ると、白と透明の2種類ある。果汁など中身の飲料を高温殺菌して充填している場合は、口部のペット樹脂を白く結晶化させて耐熱性を高めている。無菌化された工場で常温充填する場合は、その必要がないので透明のままだ。

とりわけ軽量化が進んでいるのはガス圧や耐熱の対策の必要のない無菌充填タイプ。かつては500ミリリットルタイプだと30~40グラム程度だったが、10グラム台が続々登場している。

日本コカ・コーラの天然水「い・ろ・は・す」が使うペットボトルは、555ミリリットル入りで12グラムしかない。技術本部の柴田充さんは「ボトルを輪切りにすると断面が五角形や六角形で、これをずらしながら何個も重ねたような形状になっているのがミソ。それで様々な方向からの耐久性を高めている。口部も軽量化し、全体で従来より約4割軽くした」と話す。1億本を生産した場合、ガソリン換算で一般的な自動車が地球約90周分の原油削減効果があるそうだ。

東洋製缶でも18グラムのボトルを開発。側面に耐久性を高めるためのパネルや溝がほとんどなく、ほぼツルツルの形状だ。手に持つと柔らかく、少しフニャっとする。「かつてはボトルが少しでもへこむと不良品だったが、いまでは消費者が多少のへこみには寛容になって買ってくれるようになった」(細貝さん)。軽量化が進む背景には、消費者意識の変化もあるようだ。

今後はどう進化するのだろうか。細貝さんは「形状的な工夫は限界に近い。次のキーワードは『脱石油由来』への対応」と指摘する。

日本コカ・コーラでは、いち早く原料の一部に植物由来の素材を混ぜて作ったペットボトルを「い・ろ・は・す」に使っている。「重量の約30%が植物由来。(これまで捨てられていた)サトウキビの搾りかすを有効活用している」という。コスト面が課題だが、プラスチックごみが社会問題化するなか、近い将来、植物由来100%の容器が誕生するかもしれない。

◇  ◇  ◇

リサイクル率は8割以上

注目されているプラスチックごみ削減問題。国内で生じる約900万トンの廃プラスチックのうち、約1割がペットボトルだ。PETボトルリサイクル推進協議会によると、16年のリサイクル率は83.9%で、20~40%程度の欧米に比べ極めて高い。

さらなる回収率アップのため、スーパーなどに回収機を置く動きも出てきた。セブン&アイ・ホールディングスでは全国に約700台設置。ボトル5個で1nanacoポイント(1円相当)がたまる。

ただ、国内で再生したペット樹脂の用途を見ると、70%以上がシートや繊維などにリサイクルされている。再びボトル使用しているのは20%強だ。プラスチックごみを減らすためにも、より効率の高い完全リサイクルの実現が課題となっている。

(鉄村和之)

[NIKKEIプラス1 2018年11月3日付]

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