ブランド VIEWS

ikka、エシカルで巻き返し 仕事カジュアル打ち出す

日経MJ

2018/11/22

仕事向けのカジュアル衣料は好調が続く

イオン系のカジュアル衣料店コックスは、主力ブランド「ikka(イッカ)」の立て直しを進めている。環境に配慮した素材を意識し、オフィスでも着用できるカジュアルな洋服を拡大。ライフスタイルに合わせた商品も重点提案し、新たな顧客の掘り起こしを目指す。会社全体の業績苦戦が続くなか、イッカのブランド力向上や収益改善は欠かせない課題だ。

■特徴を出せず同質化

「アパレル市場のなかで特徴を出せず、同質化している」。ikkaの桜井唯史ブランドディレクターはこう分析する。ikkaは2004年に立ち上げ、「きちんとした大人のカジュアル服」をテーマに40歳前後の男女を対象としてきた。

現在、全国で150店弱を持つ。コックスが運営する全店舗約250店の半分以上を占める主力ブランドだ。シャツは2800円、アウターは7800円以上が中心価格。全体売上高の約7割に達し、会社の浮き沈みに直結する重要な存在ともなっている。

ただ、3~8月期のネット販売は前年同期比20%増と伸びた半面、既存店売上高は前年実績を下回った。在庫処分も響き同期間は営業赤字。目下、ブランドのテコ入れが課題となっている。

立て直しの一つとして今秋、ikkaブランドの商品テーマや発信方法などを指揮するブランドディレクターを新設した。商品や店舗について他社と差異化を一段と進め、個性を引き立たせる戦略に力を注ぐ。

■環境影響「エシカル」うたう

商品面では東北地方で栽培した綿を使うなど、環境への影響に配慮した「エシカル」をうたう。リサイクルしたダウンの素材を使った「グリーンダウンジャケット」を11月上旬に発売。ブランドイメージを高め、「エシカル消費」に関心を持つ女性の需要を取り込む狙いだ。

環境に配慮した衣料品に注力する

来春からは毎月、テーマに沿った衣料品を提案する。桜井氏は「サーフィンやリゾートなど季節ごとの商品を発信し、ikkaブランドを知らない人に訴求する」と話す。異業種や他ブランドとのコラボ商品も検討し、ライフスタイル型のブランドの認知度を高めていく。

■仕事用カジュアルに伸びしろ

一方、ikkaの中でもう一つの伸びしろが、仕事用のカジュアル衣料品だ。この分野の3~8月期の売上高は前年同期比16%増加した。導入店舗を約70店まで拡大しており、着用シーンを広げ購入機会を増やす。

桜井氏は「『大人のカジュアル服』のコンセプトは降ろさない」と強調する。消費者の嗜好の多様化が進みトレンドも一段と細かくなっている。価格競争も続いているが、価値に見合った商品だと判断されれば高くても売れる動きもみられる。

ただ、まずは足元の収益改善が急務。中国に加え東南アジアでの生産を強化する。他のブランドと素材を共通化することで原材料のコスト低減につなげる計画だ。今後は定価でいかに売り切るかが課題となる。

(原欣宏)

▼イッカは「スマートに着る。スマートに生きる」をコンセプトに掲げ、土日の外出時にきれいめの洋服を着てもらう。カップルに加えファミリーを取り込もうと、子どもとの「リンクコーデ」も推奨する。オフィス向けの品ぞろえも増やしてブランドを知る接点を広げ、地道に認知度向上を目指す。

[日経MJ 2018年11月2日付]

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