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リクルートライフスタイル(東京・千代田)の美容情報誌「ホットペッパービューティー」。営業のチームリーダーの佐藤愛衣さん(31)は顧客から聞き出した課題を「見える化」し、解決策を提示する。その中で生まれた美容室の予約状況の分析手法は、IT(情報技術)システム開発部門と連携し、全社的な営業ツールになった。

「広告プランのグレードを一つ下げたいんだけど……」

2016年、美容室のオーナーは申し訳なさそうに切り出した。理由を聞くと「スタッフのモチベーションを高めて雇用を安定させるために2号店を作ろうと思っている。その準備資金が必要になった」との答えが返ってきた。

佐藤さんは「準備資金が必要なら、売上高を増やした方がいいのでは」と考えたが、オーナーは「うちは忙しくてほとんど空席がない。広告を打っても、売り上げが伸びる余地はないでしょ」。

データ見せ納得

「本当かな」。ピークタイムは確かに忙しいが、オフピークの時間帯もある。佐藤さんは店舗の予約台帳を見せてもらった。「この時間のこの席はどんな人が来ていましたか」。予約内容を1件ずつオーナーに確認する聞き取り作業は3時間に及んだ。

その後、オフィスに戻って聞き取った内容を2時間かけて表にしてみた。表を眺めてみると夕方の時間帯に空席が多いことが分かった。「この時間帯に男性限定の割引クーポンを出せば良いのでは」。佐藤さんの狙い通り、夕方は会社帰りの男性客でにぎわうようになった。「感覚や思い込みではなくて、客観的なデータで見せることで納得してもらえた」(佐藤さん)

この美容室は売り上げを伸ばして新規店舗の開業資金も順調に集まり、17年に無事に第2号店を開業。開業後に佐藤さんがあいさつに訪れるとオーナーから「おかげさまで、ここまで来られました。ありがとう」と声をかけられた。佐藤さんは「お客さんの笑顔が次の活力になると改めて実感した」と振り返る。

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