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ノジマの堀越美里さん

ノジマの堀越美里さん

ネット通販が台頭するなか、店舗で電化製品を購入する顧客が減っている。そんな苦戦が続くなかでも、ノジマの販促企画グループの堀越美里さん(24)は常に他の販売員の倍額を売る名物店員。「家電を売った数はお客様に喜んでもらえた数」と話す真摯な姿勢と発想力が、好調な販売成績を支えている。

堀越さんは入社1年目の2015年秋、優秀な販売実績を挙げた社員に贈られる社長賞を受賞した。理由は「延長保証サービス」の契約率の高さ。量販店で家電を買うと1年間の無料保証が付いてくることが多いが、その後の保証サービスは有料になる。製品ごとに保証期間や内容、金額や適用条件が異なるので制度はおのずと複雑になり、サービスへの勧誘は容易ではない。

低調な契約数

入社直後、白物家電の販売員として店舗に配属された堀越さんも、この有料の延長保証サービスの勧誘でつまずいた。「一生懸命に説明しているはずなのに」。配属から3カ月がたち、気づくと契約数は同期社員の中でも低調だったという。

なぜ契約してもらえないのか――。そこで、来店客に聞いてみると「よく分からないけど大丈夫」「壊れたらその時に考えようと思った」など、漠然とした答えが返ってきた。保証内容を理解しないまま「面倒だから」と断るケースが多かったのだ。

そこで目を付けたのがタブレット端末だった。ノジマでは全ての販売員にタブレット端末が支給される。通常は商品の発注や在庫管理に使うが「せっかく端末があるのだから、販促用に資料を見せて説明できないか」と考えた。

短大時代に「プレゼンテーション実務士」の資格を取得し、資料作りは得意だった。業務の合間を縫って延長保証の利点を解説するプレゼン資料をまとめた。情報量が多すぎると関心を持ってもらえないと考え、グラフや表を多用して文字や数字を極力減らした。細かい数字や注意書きが並んだ従来の紙のカタログとは一線を画すものだった。

利点を一目で

実際に売り場で使ってみると効果はてきめん。顧客が興味を持って最後まで説明を聞いてくれたことで、契約率は一気に高まり、成績は新入社員の中でトップになった。

「僕にも使わせてくれないか」。同期社員の間で評判が広まり、今では堀越さんのプレゼン資料が全国の店舗で使われている。

その後も堀越さんはエースコンサルタントとして、全国トップクラスの販売実績を挙げ続けた。販売の極意は必ず話しかけることだ。

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