週1、2回は冷蔵庫診断 定位置決めて食品ロス防ぐ生活研究家 阿部絢子

2018/10/28

「買い物に行く度に買い忘れ、今日のスーパー通いはこれで3回目よ」とは隣人のぼやきだ。目的の食品を忘れたためだが、出かける前に冷蔵庫をしっかり確認すれば防げたはずだ。「メモすれば済む。時間がもったいない」と、心の中で私は応える。

冷蔵庫管理は、身体の健康管理と同様に、だ。健康管理は年1回の検査で、健康状態を診断する。冷蔵庫内も週1回、いや2回ほど食品診断が必要だ。健康の要は食にある。その食をつかさどる冷蔵庫には、診断と管理が不可欠だ。

隣人のように管理と診断がうまくいかないと、食品は冷蔵庫で忘れられがち。食べ残し、入れっ放し、賞味期限切れなどは、食品を傷め、腐らせ、廃棄することになる。庫内食品の診断管理をうまくするには、シッカリと食品を循環させることだ。言い換えると、庫内の食品は食べ切ればいい。

それには、まずは食品の定位置を決めよう。食品はとても種類が多く、話題になった食品などを目移りして購入すると、冷蔵庫内が乱雑になる。庫内診断を手早くするには、我が家の必要不可欠食品を決め、位置確保が欠かせない。

例えば、牛乳、ヨーグルト、卵、つくだ煮等々にも定位置が要る。特に、野菜室は深さに関係する。深いタイプでは、上から野菜を入れ、入れた野菜を見失い、傷めるケースもあり、気を付けたい。

また、料理した総菜を保管する場所は決められているだろうか? 決まっていると便利だ。会社帰りに「あの総菜は残っていたかな」と思い出そうにも、どこにあるかあいまいでは意味がない。一段分を総菜棚にすると覚えやすい。

これらの位置は、家族にも知ってもらう。また一度決めたら動かさないという決まりも大切だ。定位置を作ることで、食品診断は一目瞭然となり、補充がスムーズになり、時短につながる。

次に、食品は残りやすいと認識しておきたい。キチンと食べたつもりでも、ほんの僅か残る。うっかり忘れた食品が出てくることもよくある。傷みやすい生鮮や加工食品は、週1回を目安に診断し、使い切り料理を作るのが大切だ。できれば、これを習慣化したい。

つまり、冷蔵庫内の食品は料理で循環させ、庫内スペースが空になる日を作るというわけだ。例えば、僅かなキャベツ、豚肉、ハムなどがちょっぴり残ったら、その日のメニューに1品追加する。庫内スペースを空にし、後に入れるのは新たに購入した食品だけにする。こうした庫内診断管理は食品の傷みを防ぎムダも少なくなる。

さらに、料理した総菜が残った時も、繰り回して料理する。例えばカレーはカレーオムレツ、ギョーザは焼きそばに入れるなどして総菜も変身させ、食べ切ろう。

日本の食品ロスは、年間650万トン近くといわれる。庫内食品の循環をうまくして、スペースを空にする日を作り、食べ切る努力で時短を目指したい。

阿部絢子(あべ・あやこ)
薬剤師の資格を持ち、洗剤メーカー勤務後に消費生活アドバイザーに。家事全般や食品の安全性の専門家として活躍。「ひとりサイズで、気ままに暮らす」(大和書房)「ひとり暮らしのシンプル家事」(海竜社)など著書多数。

[日本経済新聞夕刊2018年10月23日付]