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まちづくりがアートになる? 東京ビエンナーレの挑戦

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NIKKEI STYLE

「東京ビエンナーレ2020」。戦後、高度経済成長期に開かれていた国際美術展の名を冠した文化プロジェクトが動き出した。都市の文化資源を発掘し、変容する美術の概念をも問う企画だ。

10月中旬、元中学校の校舎を改造した施設「アーツ千代田3331」(東京・千代田)に、美術家やデザイナー、建築家、住民ら50人ほどが集まった。「東京ビエンナーレ2020」の具体的な企画内容について討議する集いだ。

「江戸の湯屋(銭湯)のわい雑さを現代によみがえらせたい。伝統の蒸し風呂をモチーフにした展示の周りには、屋台もほしい」「そうして雰囲気を盛り上げられれば、まだ残ってがんばっている銭湯にもいい影響を与えそうですね」。意表を突くアイデアが飛び出し、議論は白熱した。

東京の都市空間が作品設置の舞台

東京ビエンナーレは2020年夏の東京五輪・パラ五輪の会期に合わせ、千代田、中央、文京、台東の4区をまたいで開く予定の美術・文化イベントだ。音頭を取るのは行政ではない。「アーティストや地域住民が、下から議論を積み上げて作っていく」(発案者で東京芸術大教授・美術家の中村政人氏)ところが眼目だ。

美術館のみならず、空きビルや空き店舗、道路など都市空間が作品設置の舞台となる。14日までアーツ千代田で開かれたビエンナーレの「構想展」では、各企画を担当するディレクターがそれぞれ立案したプロジェクトを披露した。12人いるディレクターは美術家だけでなく、ファッションデザイナー、編集者、学芸員、社会事業家など多様な人材が務める。

建築家の嶋田洋平氏は「まちをかえよう」と題して、首都高速道路につながる無料区間の「東京高速道路」を歩行者天国として開放するアイデアを発表した。銀座地区に新しい「都民のための公園」を作るという。「1964年の東京五輪で整備された都市インフラをもっと豊かに使いこなそう、というメッセージを込めたい」と嶋田氏。

メディアアーティストの八谷和彦氏は、個人が空を飛ぶ機械を開発する起業家を世界中から招き、デモ飛行する企画を進める。またコミュニティーデザイナーの山崎亮氏は不用品を販売する「スリフトショップ(中古品店)」を小学校の体育館や空き店舗、空き家など街のいたるところに出現させるという。神田川に大量の小さな「伝馬船」を浮かべてレースをするなど、水の都だった江戸の記憶を再生させる企画もある。

いずれも美術というよりまちづくりのアイデアのようだ。これが「作品」として企画される背景には、美術の定義が近年大きく変容していることがある。

52~90年に開かれた「東京ビエンナーレ」は上野の東京都美術館を会場にした国際美術展で、70年の第10回はコミッショナーを務めた美術評論家の中原佑介氏が「人間と物質」を統一テーマに世界中から作家を招いた。社会の常識や既存の美意識にゆさぶりをかける作品が出展され、その後の日本の現代美術に大きな影響を与えた。

現代美術の新たな思潮を反映

新生ビエンナーレを開く予定の2020年は、旧ビエンナーレの第10回の開催から50年目に当たる。往時の進取の精神を受け継ぎつつ、現代美術の新たな思潮を反映。日常空間を異化し、社会のあり方を根源的に問う姿勢を打ち出す。「東京の街も美術の概念も50年で進化した。今の東京は既存の施設をうまく使い、住民が生活を豊かにしていく段階にある。美術も美術家も美術館を飛び出し、社会を変えていく動きに寄り添っていかないといけない」と中村氏は強調する。

本郷、上野など各地域にエリアディレクターを置き、歴史的建造物や伝統工芸などに光を当てる住民主体のプロジェクトにも取り組む。住民、企業、研究者らが14年に結成したまちづくり組織「東京文化資源会議」とも連携、1日には事務局や資金調達を受け持つ一般社団法人を設立した。事業費は6億円。「ゼロから作り上げるダイナミックさを大切にして、面白い企画につなげたい」と中村氏は話す。

(郷原信之)

[日本経済新聞夕刊2018年10月22日付]

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