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詰まったり臭ったり 排水まわり、自分でできるメンテ

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NIKKEI STYLE

住まいの悩みに排水口の詰まりや臭いをあげる人は多い。仕組みを確認し、寒くなる前に一度、部品を外しメンテナンスをしてみては。地震や大雨など、災害時に大事にならないように備えよう。

災害時だけでなく普段から「排水口が詰まった」「流れが悪い」などの悩みを聞く。

代表は風呂場の排水づまり。たいていは一番上の細かい網目状「ヘアキャッチャー」に毛髪がたまり水流を塞ぐケース。毛髪を取り除いても、また詰まる場合も。その時はキャッチャーの裏やその下のパーツを外して洗う。

最近のユニットバスはヘアキャッチャー下にある排水トラップまでの管を外して掃除できる。

ヘアピンやゴム 詰まりの原因

洗面所の排水の流れが悪いという声も多い。風呂場と同様、髪の毛がたまりやすい。もし、へアピンやゴムなどを流してしまったら、排水管を詰まらせる原因になる。

ヘアピンなどは洗面台の下のS字管にたまりがち。先日、友人の家でS字管を外したら歯ブラシが出てきた。これでは汚れを溶かして流す排水管用洗剤パイプクリーナーを使っても効果はない。

金属製のS字管の場合は専門業者に任せる方がいいものの、樹脂製ならば素人でも扱えることが多い。管の下に洗面器を用意し、たまった水を抜く。管と管をつなぐナットを回せばS字管は外れる。ナットが固く締まっているなら、レンチを使えばいい。

ナットと一緒にゴムパッキンが使われている場合は、紛失しないように要注意。再び接続するときも、必ず付けること。パッキンが劣化していたら交換しよう。取り付けた後は、S字管に水をためるのをお忘れなく。実はこの水が下水からの臭いや害虫の侵入を防いでくれているからだ。

普段は排水口ブラシで軽くこする程度で十分。S字管まで届く長さであれば100円ショップのものでいい。

一度、確認しておいたほうがいいのが、自宅の排水経路。どこからどう流れ、公共下水道に流れるのか。自治体には下水道台帳があり、家の前をどちら向きに下水が流れているか、確認できる。インターネットでも公開している。

一戸建て住宅は図面で確認できる。集合住宅は、たいてい上の階から下の階へと流す。紙おむつや生ゴミを流すと、上下階で流れが悪くなったり、悪臭がしたりする。

自分が排水に関心を持ったのは昨年の冬、風呂の湯を流すと裏庭が水浸しになったからだ。施工業者に調べてもらうと、我が家にある2つの排水マスのうち、公共下水道側へ流れるほうに油がビッシリこびりついていた。

雨どいの枯れ葉 流さず処理を

排水マスは排水管の合流点に設置され、排水と一緒に流れてきたゴミをこし取るための設備。公共下水道へ流れることができなかった汚水が、裏庭の排水マスから流れ出たことが分かった。排水マスと排水管の洗浄、出張代金で4万5000円の出費になった。

移り住んで12年。初めて排水マスの存在を知り、改めて排水経路を確認した。我が家では雨水が一度、雨どいを伝い裏庭と公共下水道側の2カ所の排水マスに集まり、裏から公共道路側へ流れる途中で洗面所や風呂、台所からの生活雑排水が合流し、その先でトイレの汚水も加わって公共下水道に流れ込んでいた。

ベランダや雨どいにたまった枯れ葉やゴミは水で流すと一見すっきりするが、排水マスにたまるだけ。ゴミとして拾い捨てたほうが後で大ごとにならずに済むと実感。半年に1回掃除することにした。

一軒家の排水マスは掃除ができる。市販の高圧洗浄機などで付着した汚れを落とし、ザルで汚れをすくい、捨てる。煙突掃除用のブラシを使う人もいる。柄が継ぎ足せるので長い配管にも使える。上流から下流へと汚れを押し出すと、下流側の排水マスにゴミの固まりが流れてくるのでスコップですくい、ザルでこし、水分を切るのがベストだ。

排水マスが床下にある場合は要注意だ。業者によると、畳が持ち上がって床上浸水してはじめて、排水マスの詰まりに気付いた家庭もあるという。日々の「チョットくらい流してもいいかな?」という行為と、メンテナンスの欠如がたまりにたまると大事になる。排水周りの手入れは怠りなく。

(家事ジャーナリスト 山田 亮)

[NIKKEIプラス1 2018年10月13日付]

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