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歯の治療、障害者も安心 カードで説明し受診しやすく

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心身に障害のある患者が安心して受診できるよう配慮した歯科が広がっている。障害の影響で長時間じっとしたり症状を伝えたりすることが難しく、受診をためらう患者は少なくない。診療室をバリアフリー化し、指示を視覚で伝える専用カードや麻酔を使うなど工夫する。障害者の歯科治療に取り組む認定医は1千人を超え、学会がホームページで紹介している。

大阪歯科大学付属病院(大阪市中央区)の「スペシャルニーズ歯科・障がい者歯科」。診察室はバリアフリーでゆったりした間取りが特徴だ。発達障害がある場合などに活用する治療法が絵で描かれたカードがあるほか、麻酔科と連携し、長い治療に耐えられない患者向けに全身麻酔や鎮静を行うこともある。

6月に、身体障害のため車いすで訪れた女性は歯の診療を受けるのが約10年ぶり。歯科医院の段差や周囲の目が気になり受診を敬遠してきたという。体の負担を和らげるクッションを背中と診察台の間に挟んで座り、歯科医師が「口を開けられますか」「治療の際の音は大丈夫ですか」などと状態を確認した。

女性に付き添った70代の母親は「障害への丁寧な配慮があり、安心して通い続けられる」と安堵した様子で話した。

日本障害者歯科学会(東京・豊島)によると、歯科治療で知的障害や自閉症の人は痛みを伝えにくい傾向があり、体のまひや注意欠陥多動性障害(ADHD)の影響で診察台に座り続けることが難しい人もいる。ノウハウのない一般の歯科では受診を断られるケースもあるという。

同病院は障害のある患者の治療を小児歯科が担っていたが、多様なニーズに対応できる体制を整えようと2014年に障がい者歯科を開いた。担当の歯科医師は「個々の患者の状況に応じた柔軟な対応を心がけている」と話す。

大分市では18年3月、大分県歯科医師会館の一部を改修し、障害者向けの歯科「県口腔(こうくう)保健センター」がオープンした。県などからの補助金を受けて歯科医師会が運営し、障害者の治療に精通した歯科医師1人が常勤する。

県が13年に実施したアンケートでは複数の障害者やその家族から「(歯科で)治療してもらえない」という悩みが寄せられた。県内に障害者に対応できる歯科は2施設しかなく、1人の歯科医師が2施設を行き来する状態だったため、診察が3カ月から半年待ちになることもあったという。

最近では、歯科医院にも障害者が受診しやすいように配慮した施設が登場している。

同学会などによると、障害者に配慮した診療はもともと小児歯科から始まった。広がるきっかけの一つが、1966年に大阪府歯科医師会が開いた身体障害児向けの診療センター(当時)。多くの患者が訪れたことから課題やニーズについての理解や認識が進み、障害児が大人になっても治療で配慮する施設が各地で増えてきたという。

近年では、11年に障害者が定期的に歯科検診を受けられるよう国や自治体に取り組みを促す歯科口腔保健推進法が成立。16年には、民間事業者に対し障害者への「合理的配慮」を求める障害者差別解消法も施行された。

 歯科医師で同学会の弘中祥司理事長はこうした法律が障害者に対する意識を高め、配慮した歯科治療が広がる背景の一つになっていると分析。「障害がある人の歯科治療は整ってきているが、地方ではまだ手薄なところもある。さらに人材を育てていきたい」と話している。

◇  ◇  ◇

認定歯科医、10年で1.5倍

日本障害者歯科学会は2003年、障害者の治療に精通した歯科医師を認定する制度を設けた。一定の障害者の治療経験などを条件に試験に合格する必要がある制度で、18年5月24日時点の認定歯科医は1160人。10年間で約1.5倍に増えた。学会のホームページでは全員ではないものの、認定歯科医がいる施設の住所や電話番号を調べることができる。

認定歯科医が増えることで研修の場も広がる。17年4月に高松市で開業した「みき歯科三越通りクリニック」の三木武寛院長も、障害者に配慮した治療を手掛ける施設で研修した一人。障害者に対応できる歯科医師が少ないと感じたことが同様の施設を開業するきっかけになったという。

人材育成の面では1978年に日本大松戸歯学部(千葉県松戸市)に初めて障害者歯科学講座が誕生。現在は複数の大学が講座を設けている。

(佐藤未乃里)

[日本経済新聞夕刊2018年10月10日付]

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