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私の課長時代

極秘にリストラ案を策定 意に沿わぬ職場でも全力 日本たばこ産業社長 寺畠正道氏(下)

2018/10/2 日本経済新聞 朝刊

3度にわたる海外赴任でJTのグローバル化を進めた(ジュネーブ駐在時、写真中央が本人)

■3年半のジュネーブ勤務を終えた2002年、日本たばこ産業(JT)本社の製造部へ戻る。

希望通りの人事だったかと聞かれると答えは半々です。実はマレーシアの工場長の打診を受けていましたが、日本からの回答は「ノー」。人事は思い通りにいかないと感じたものです。

日本で待っていたのは大幅な人員削減や工場閉鎖が中心の中期経営計画の策定でした。帰国から1カ月でメンバーに入れられて「こういうことか」と思ったのが正直なところです。

■極秘にリストラ案を策定した。

私を中心に製造部で青写真を作り、国内の半分以上の15工場閉鎖を決めました。全社員の3分の1の約6千人が退職しました。

リストラ対象は知った顔の仲間たち。精神的な負担は相当なものでした。社長直轄の極秘プロジェクトだっただけに「執行役員や部長には相談するな」と厳命され、通常業務とは別に夜や週末に進めました。

厳しい時期でしたが、米RJRナビスコの統合時に正しいことを正しいタイミングでやらなければならないと身をもって経験していました。「会社の体力があって退職金をしっかり払える今がベスト」「これは会社のために必要なことだ」。そう消化できるだけの胆力は付いていましたね。

05年には秘書室長になりました。これも希望とは異なり、「何で俺が。事業を引っ張れるところで使ってほしい」が本音でした。内示が出たらすぐに新しい職場に挨拶へ行くのが慣例ですが、そうしませんでした。今では笑い話ですが、異動日に出社したら、当時の社長に相当怒られました。

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