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次代に伝えるチャンバラ 中島監督、20年ぶり劇映画

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NIKKEI STYLE

中島貞夫監督が20年ぶりに劇映画を撮った。伊藤大輔「長恨」に想を得た時代劇「多十郎殉愛記」。「チャンバラの面白さを次代に伝える」という今年84歳の名匠を京都の撮影現場に訪ねた。

「カメラが見えない人はカメラを探せ! レンズが見えないって人は、映ってないんだよ!」

嵯峨野の竹林に中島の大声が響く。高良健吾演じる多十郎に、大勢の追っ手が迫る場面だ。やりや刀をもった黒装束の見廻組の面々にメガホンで指示を出す。

「じわじわと探しながら来て。見失った感じで」

「ちょっと芝居が過ぎる。最初はいいけど、後はじわじわじわっだ!」

本番2回目でOK。折り畳み椅子の中島はツエをついて立ち上がる。4月の竹林にウグイスが鳴く。

次は多十郎に追っ手が斬りかかるショット。照明助手たちが鏡をもち、竹林に横から光を当てる。

高良はざんばら髪を頭の後で結い、着物はボロボロ。前がはだけ、ふんどしがのぞく。斬られた左そでに血がにじむ。玉の汗だ。

背後の竹林を追っ手が走る。画面左から刀が現れ、斬りかかる。「これでいい」。一発でOKがでた。

「竹を生かして、チャンバラの面白さを見せたい。1対20の乱殺陣の面白さをね」。中島はそう語る。

「極道の妻たち 決着(けじめ)」(1998年)以来の劇映画。主に東映京都撮影所でヤクザ映画を中心に幅広い作品を撮ってきた。時代劇も多いが「くノ一忍法」「木枯し紋次郎」シリーズなどで「チャンバラとはちょっと違う」。今回は「徹底的にチャンバラを究めたい」。

チャンバラ初挑戦の高良については「いいですね。刀を振りかぶった時、『日本侠客伝』のころの高倉健さんを思い出した。時代劇俳優がやるのとは違う迫力がある。きれいごとのアクションじゃないんだ」。

教え子たちが集結

立ち回りの技術を次代に伝えるため、斬られ役には東映剣会のベテランたちに吉本興業の若手を加え、1カ月かけて訓練した。スタッフも東映京都の仲間と共に、中島が87年から教壇に立った大阪芸大や立命館大の教え子たちが集結した。

大阪芸大出身の熊切和嘉もその一人。今や日本映画を支える第一線監督だが、監督補として第2カメラの後ろに構える。「ほんと勉強になります」と熊切。

午後、風がザワザワとササの葉を揺らす。多十郎が追っ手に囲まれた。高良が走り、血路を開く。

「そう。ぶった切りでいい」「できるだけ刀を大きく振って」。中島は自らツエを振って、手本を示す。

竹を斜めに切り倒しながら、逃げる多十郎。ばっさばっさと竹が倒れる。立ち往生した追っ手が叫ぶ。「何をしちょる。追え!」

京都の必要性示す

帰りの車で中島は語る。

「チャンバラは京都の映画界の象徴的存在だ。なくなると、京都の必要性もなくなる。本格的なものをきちっとやりたかった」

「かつてのチャンバラはドラマをしょっていた。『長恨』は泣けるチャンバラだ。女と弟を逃がすために闘うというドラマがある」

大河内伝次郎主演の「長恨」が1926年という時代を反映したように、「多十郎殉愛記」の主人公も「現代人に理解できる人物」にしたと中島。「下級武士だが未来を作ろうという意志はなく、絵描きになりたいと思っている。それなのに運命に引きずられる」

高良は8月の記者会見で「監督の立ち姿にたくさんのことを学んだ」と振り返った。中島は「若さが発散しないと面白い時代劇は作れない」と力をこめた。

14日に京都国際映画祭でプレミア上映。来春公開。

(編集委員 古賀重樹)

[日本経済新聞夕刊2018年10月2日付]

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