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糖質制限ダイエット 動脈硬化・隠れメタボのリスク増

2018/10/1付 日本経済新聞 朝刊

■肉を過剰摂取

欧米の研究者は12年、1日あたりの糖質摂取量が20グラム減り、代わりにたんぱく質が5グラム増えるごとに心疾患の発生率が5%ずつ高まるとの研究成果を発表した。肉類などに含まれる脂肪の摂取が増えたとみられる。糖質制限の健康への影響については様々な研究があり決着がついていないが、岡田名誉教授は「糖質制限ダイエットでは肉類などを多く食べることもあり、特に注意が必要だ」と話す。

日本人は炭水化物が中心の食習慣や遺伝要因のために、極端な肥満が少ない。だが名古屋学芸大学の下方浩史教授は、やせた体形でも体内に脂肪を蓄えた40歳以上の「隠れメタボ」が、12年時点で914万人もいるとの推計を発表した。肥満のメタボの971万人に匹敵する。

脂質と血糖値、血圧のうち2つ以上の値が異常で、腹囲やBMI(体格指数)が一定以下の人を隠れメタボとした。メタボは35年には減少に転じるが、隠れメタボは同年に1042万人に達し、その後も増える。

隠れメタボはやせていて症状の自覚が無く、生活改善に取り組むきっかけが少ない。知らない間に動脈硬化が進み、脳血管疾患や心疾患のリスクが高まる。下方教授は「糖質制限ダイエットの流行は隠れメタボを増やす恐れがある」と話す。

健康にやせるにはどうすればいいか。岡田名誉教授は「三大栄養素のバランスを崩さずに食事のエネルギー量を制限するといい」と話す。毎月1~2キログラム減を目標に取り組めば、体に無理がなく断念するリスクも減らせる。運動も必須だ。ダイエットに伴い大事な筋肉や骨が減るのを防げる。

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■ダイエット、筋肉維持が鍵 極端な増減 かえって危険

ダイエットで鍵を握るのが筋肉の維持だ。食事のエネルギー量を減らすと、予備として体内に蓄えた脂肪を分解しエネルギーに変える。だが同時に筋肉も分解され、基礎代謝が下がり太りやすくなる。

予防策として岡田名誉教授が勧めるのが、1日30分、週3~5回の中程度の負荷の運動だ。ジョギングやヨガ、太極拳など脈拍が少し上がる程度の運動の中で、自分が続けやすいものを選ぶといい。

危険なのはダイエット後に再び体重が増えるリバウンドや、体重の増減を繰り返すウエートサイクリングだ。ダイエットで一度筋肉が落ちたうえで脂肪が増えれば、体内が脂肪だらけになる。必然的に心疾患などのリスクが高まる。

(草塩拓郎)

[日本経済新聞朝刊2018年10月1日付]

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