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私の課長時代

英国でM&Aの原点学ぶ 工場閉鎖の厳しい決断も 日本たばこ産業社長 寺畠正道氏(上)

2018/9/25 日本経済新聞 朝刊

日本たばこ産業の本社ビル

■日本たばこ産業(JT)の寺畠正道社長(52)は同社のM&A(合併・買収)戦略の原点を直接、体験した。

1992年に買収した英マンチェスター・タバコで新工場を作るプロジェクトに参画しました。工場立地や機械の選定、採用など企画全般を担当。入社6年目、94年のことでした。

新工場を作るにあたって、本社はコストを抑えたい意向でしたが、英子会社が考える品質などと合わない面がありました。当時の指示は「日本の基準に全て合わせろ」でした。「それでは工場が回らなくなる」と不満を募らせる現地社員との板挟み状態でしたね。

子会社側の要求をいれるとコスト高になってしまい、当初計画のようには話を進められませんでした。生みの苦労の中で「何を譲歩し、何を譲ってはいけないのか」を学びました。

■98年の帰国後、次の買収が待っていた。

てらばたけ・まさみち 89年(平元年)京大工卒、日本たばこ産業入社。海外子会社の副社長などを経て、18年3月より現職。広島県出身。

米RJRナビスコの事業買収を担うチームに入ります。買収が完了した99年5月にプランを作った8人でスイスのジュネーブへ赴任。事業企画室調査役として、製造や研究開発(R&D)、IT(情報技術)など両社の機能を統合するリーダーを務めました。

約9400億円もの大金を投じ、社運を賭けたプロジェクト。マンチェスターでの経験を生かし、グループにとって最良の方法を選択することをポリシーにしました。双方のやり方を全てテーブルにさらしてフェアに評価して決める。単に「JTの方針だから」では、外国人の経営者、社員は納得してくれません。

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