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グローバルワーク、アウトドアも展開 生活密着を軸に

2018/11/8 日経MJ

渋谷に旗艦店を出店した

カジュアル衣料大手アダストリアが主力ブランド「グローバルワーク」の立ち位置を見直している。品質やデザイン、価格のバランスを武器に成長を続けてきたが、足元の販売は他社の攻勢もあり苦戦する。復活の軸に据えるのは顧客に寄り添う生活密着ブランド。洋服に限らず日常生活にあった雑貨などをそろえ、新たな需要を掘り起こす考えだ。

「他のブランドと同じように埋もれてしまった」。グローバルワークの太田訓営業部長は振り返る。ベーシックで値ごろ感のある「ユニクロ」や「無印良品」と、ファッション性の高いブランドの二極化が進むなか、最近は特徴を出せていなかったと分析する。

■家族で楽しめるブランド

グローバルワークは「アメカジ」や藍染めのデニムなど当時の時流を捉えながら、カジュアル衣料品を手ごろな価格で提供。20代後半から30代の男女を取り込んできた。子ども向けも用意することで、家族で楽しめるブランドを訴求した。

5年ほど前にはリブランディングを実施。それまでOEM(相手先ブランドによる生産)などに頼っていたが、業態をSPA(製造小売り)に転換。商品開発や品質面の強化を目指した。積極出店も続け現在は全国で約210店を運営する。売上高393億円はアダストリアの中で最大のブランドだ。

ただ、足元では苦戦している。2018年3~5月期の売上高は前年同期比9.8%減。好調が続くライフスタイルブランド「ニコアンド」の陰に隠れ、全体の減少幅より落ち込みが大きかった。セールで価格競争を強いられ、商品面でも「ここ1~2年は良さを伝えられていなかった」(太田氏)と反省する。

■より身近なライフスタイルブランドに

復活のカギを握る一つが「365日の日常生活で顧客に寄り添うブランド」を実際に具現化できるかどうかだ。グローバルワークは仕事や週末に着用する商品が多く、「今まで200日分のシーンにとどまっていた」(太田氏)という。そこで商品構成をアウトドアや旅行などに拡大。より身近なライフスタイルブランドに脱皮する。

グローバルワークがアウトドアブランド「ロゴス」と組んだ商品

7月にアウトドアブランド「ロゴス」とのコラボ第2弾を販売。Tシャツに加え、ベンチやクーラーバッグも用意しキャンプやピクニックに行く人の購買意欲をくすぐる。8月には福岡を拠点に展開するコーヒー店「ノーコーヒー」と組み、Tシャツやトートバッグなどを売り出した。売れ行きは好調で完売する商品が相次いだという。新たな取り組みは19年春夏から本格展開する予定だ。

日本で個性あるブランドを改めて構築できるかどうか。会社全体の浮沈にも直結するだけに、ブランドの見直しに伴う販売動向の変化が目下の課題となる。

(原欣宏)

▼1994年に設立。5年前からファッション、ファンクション、フィーリングの3つのFをキーワードに挙げる。トレンドや機能性を組み合わせ、着心地の良さなどを感じてもらうことをコンセプトとする。2019年にブランド誕生25周年を迎える。付加価値の高い商品をお手ごろな価格での提供を続ける。

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