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スリーエムジャパンの太田衣保さん

スリーエムジャパンの太田衣保さん

モノとモノをくっつけるテープや接着剤は、家電製品や自動車など幅広い用途で使われている。スリーエムジャパンのテープ・接着剤製品事業部西日本販売部の太田衣保さん(32)は顧客の要望への最適な提案で受注を重ね、担当して2年で「最優秀販売員賞」を受賞した。周囲を巻き込み、スピード勝負での提案力が強みだ。

太田さんが担当するテープや接着剤は、家電製品やドライブレコーダーなど自動車内装品を取り付ける際に使われる。冷蔵庫の表面にガラスを貼り付けた「ガラストップ」といわれる仕様では、ネジではなく両面テープでガラスを固定することでデザイン性を高められる。スマートフォン(スマホ)では大画面化でベゼル(縁の部分)が細くなっており、ガラスを固定するためのテープが欠かせない。

営業を担当している京都府や滋賀県地域は電子部品メーカーなど大手企業の工場が集積しているため、家電だけではなく工場内の床に張るテープなども提案する。取り扱う商品は数千種類にも上り、そこから最適な商品を選んで提案するのは至難の業だ。

2017年にはテープ・接着剤製品事業部にいる数十人の営業社員のなかで、前年比40%増の業績をあげて「最優秀販売員賞」を受賞した。以前は別の製品を担当しており、太田さんがテープや接着剤の営業担当になったのは16年。配属2年目で結果を出せた秘訣を、太田さんは「製品知識の少なさをスピードでカバーすること」と話す。

営業先で知った困りごとを早急に解決するために、社内のマーケティングや開発担当の社員と情報を共有。出先から持ち帰った質問には、その日のうちに返答することを心がける。顧客との商談の最中にIP電話「スカイプ」で自社の社員を呼び出してテレビ会議をすることもある。

営業時にはサンプルやカタログを詰め込んだキャリーバッグを持ち歩く。太田さんには以前、商談中に受けた専門的な質問に回答できず、「技術担当に確認します」とだけ話して逃げるようにその場を離れた苦い経験がある。キャリーバッグは自社製品を理解してもらえるように始めた工夫だ。それでも、打ち合わせ時に持ち合わせにない製品があれば、翌日には先方にサンプルが届くように手配する。

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