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飯椀・お盆… 漆器の普段使いで食卓に華やぎ

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NIKKEI STYLE

落ち着いた色合いが美しい漆器。盛り付けた料理が華やぎ、作り手の腕を一段上に見せてくれるだけでなく、軽くて保温効果もある。身近ながら、意外と知らない漆器の活用法を聞いた。

年末、正月準備に忙しい大人たちが棚の奥から重箱と屠蘇(とそ)器を大切そうに出してくる……。多くの人の記憶にある、この風景こそが「漆器を普段使いから遠ざけてているのでは」と嘆くのはエッセイストの高森寛子さん。

漆器ギャラリー「スペースたかもり」(東京・文京)を20年間主宰する高森さんは「漆器こそ普段の生活にどんどん取り入れてほしい」と話す。

木製ならでは 優れた保温性

漆器の製法は様々。漆を塗る前の素地は木だけでなく紙や布、竹、樹脂がある。いずれも陶磁器に比べて軽い。

特に木製の漆器ならではの特長が「保温性や保冷性があること」(高森さん)。熱い料理を入れても器は熱くならず、料理は冷めにくい。下地の処理をしっかりして漆を重ねた漆器なら強度があり、子どもにも扱いやすい。

しかも、漆器は毎日のように使う方が長持ちするという。木製品は乾燥に弱く、棚の中に入れっぱなしにされるのが苦手。適度に湿度がある場所で使って洗って、を繰り返せば乾燥しない。

しかし、漆器は味噌汁を椀(わん)で食べる程度、という人が多いだろう。

「まずは汁椀。そして飯椀として使い始めてみては」とスタイリストの高橋みどりさんは勧める。高橋さんは「将来は大小の3つの椀からなる入れ子椀だけで生活できるかも」というほど、漆器を使い込んでいる。

高橋さんが飯椀として使うのを特に勧める理由は「ご飯が冷めにくく、おいしくいただけるから」。店では専用の飯椀を販売しているが、自宅にある汁椀に、ご飯をよそうのもいい。

 汁椀や飯椀と同じくフル活用したいのが、お盆だ。

料理を運ぶだけでなく、ランチョンマット代わりに漆器のお盆を使ってみよう。ご飯や味噌汁、漬物をお盆に盛り一人用のお膳にするだけで、いつものご飯がごちそうに見える。お茶とお菓子なら優雅なお茶セット、酒とつまみならくつろぎの晩酌セットと、気分転換にも一役買う。

「お盆を皿として使えば、もっと出番が増えます」と高橋さん。お盆に緑の葉を敷き、おにぎりと漬物を盛れば、お盆は立派な大皿だ。

少し漆器に慣れてきたら、何か買い足してみるのも楽しい。高橋さんのお勧めは大きめの鉢だ。煮物を入れるのにちょうどいい大きさなら、サラダボウルにもぴったり。

重箱も「大皿として使うと便利」と高森さんと高橋さんは口をそろえる。重ねてもいいし、フタは使わず1つだけに、おかずを盛り付けてもいい。重箱だからと、きっちり隅まで詰めなくていい。

軽さや強さ、保温性に着目してアウトドアで使う人もいる。登山家の三浦雄一郎さんは2013年、80歳でエベレスト登頂を果たしたとき、人間国宝の室瀬和美さんがつくった漆器の椀を持参した。酷寒の厳しい環境でも食事は冷めにくく、椀は壊れることもなく帰還したという。

手入れのコツ 自分の肌目安

取り扱いはそれほど難しくはない。山田平安堂(東京・渋谷)取締役の浅見博さんは「自分の肌と同じと考えると分かりやすい」と説明する。盛り付ける食材は、極端に高温だったり酸がきつかったりしない限り、油モノでも酢の物でも問題ない。

一方で、温度変化と乾燥には弱いので、食器洗い機と電子レンジ加熱は避ける。冷蔵庫も適さないが、「素地が樹脂のものは短時間なら大丈夫」(浅見さん)。

洗う際は台所用洗剤を使って問題ない。とはいえ、研磨剤入りの洗剤や硬いスポンジ、たわしはNG。洗ったら早めに布巾で水分を拭き取る。自然乾燥で影響はないが、水アカが残ってしまうためだ。

修理も可能。山田平安堂では他社製品も含め、修理を引き受ける。ただ、「費用と時間はかかる」(浅見さん)。

最後に「漆器は使ってこそ」という実例を高森さんが見せてくれた。長年愛用した汁椀と同じ新品を2つ並べて比べたところ、愛用の椀の方が漆の艶が増していた。ファストファッションの時代だが、お気に入りの漆器とともに年月を重ねる暮らしもいい。

(ライター 藤原 仁美)

[NIKKEIプラス1 2018年9月8日付]

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