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安達さんは高校時代から仕事の反省をノートに書き続けている

新たな発見を誘う試着案内人がいる。コックスの「ikka LOUNGEイオンモール幕張新都心店」(千葉市)で働く安達千秋さん(26)だ。高校時代からのバイト経験や今も続ける反省ノートを生かし、何気ない来店者の動作や一言から最適な提案を探し出す。

「お手にとって見て下さい」。色とりどりの洋服が並ぶ店内に足を踏み入れると、販売員が目を見て元気にあいさつをしてくる。入店すると近づいて話を始める店員もいるが、決してすぐに声をかけない。声出しをしながら、さりげなく来店者の目線や様子をうかがい、状況に合わせた言葉を見つけ出す。

例えば、洋服の袖を触っている女性には「薄手のブラウス買いましたか」と話しかける。猛暑のため涼しく過ごしたいけれど、生地の薄さを気にする女性は多い。その女性も1枚で着ると透けてしまう点を心配していた。そこで夏向けの肌着を提案。中に羽織ることで悩みを解決できた。

聞き役に徹し顧客の悩みに応じて接客をする。今でこそ慣れたものだが、数多くの失敗や様々な経験があったからここまでこれたという。

高校時代にコックスの別の店舗で働き始めた。当時は声出しに反応した人に一方的に話し続けてしまった。初対面の人が多いため、洋服の話が途切れて間が空くことが怖かったのだ。「売るモード」全開でお互いに話が弾めば買ってくれる。ただ、顧客が引いてしまう場面も少なかった。

ノリ重視だった接客が変わったのは社内研修。接客を競うロールプレイングに参加した際、他ブランドの優秀な販売員が、聞き役に徹底する姿を目の当たりしたのがきっかけだ。「純粋にすごく良いと思った」

自身の反省を込め、できなかったことや良かった点をノートや携帯電話に記録していった。ロープレ後も課題を明記。勤務中に1つずつつぶしていくとともに、休日もアパレル店を訪れ、他の販売員の接客を学んでいった。少しずつ接客に自信が持てるようになると「安達さんから服を買いたい」との声をもらうようになった。

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