サラダチキンに総菜… コンビニ食材で残暑乗り切る
暑い日が続く。仕事やレジャーで帰宅した後、夕食の準備をするのは大変だ。スーパーやコンビニエンスストアでそろう食材を使い、加熱時間を短く、ササッと準備できる料理を紹介しよう。
緩急をつけるのは毎日、家事を続けるうえで大切なこと。食事も「買って並べるだけなんて!」という批判を気にしてはいけない。
まずはコンビニやスーパーで必ず見かける定番商品となった「サラダチキン」。脂肪分が少ない鶏むね肉を主原料とした加工食品で、120グラム程入り、250円前後だ。
野菜サラダと合わせれば、アッという間に立派な一皿が完成する。食べやすいようにあらかじめ肉をほぐしたものやハーブ類で風味付けしたもの、スモークしたものなど商品が増えた。サラダに使う野菜の種類を変えて掛け合わせると、かなりのバリエーションが楽しめる。
例えば、大根サラダとワサビじょうゆで和風になるし、レタスサラダにバジルを加えればイタリアン風。ごま油を使ったドレッシングなら中華風だ。カット野菜が入った袋入りのサラダ用野菜ミックスもいろいろある。ベビーリーフや緑黄色野菜、パクチー入りなど、普段あまり使わない野菜が入った野菜ミックスを使うのも気分転換になる。
サラダチキン 自作するのも手
サラダチキンは自分で作ると節約できる。我が家では、鶏むね肉の価格が安いときに買いだめし、まとめてゆでておく。
鍋にたっぷりの湯を沸かし、皮や脂肪を取り除いた鶏むね肉を入れ、フタをして火を消す。後はそのまま自然に冷めるまで放置するだけ。
食中毒を防ぐには中まで火を通すことが前提だ。加熱しすぎて食感がパサパサになった時はドレッシングでしっとり感を補える。空気との接触面を最小限にするためハム状にカットして使い、残りはカット面にピッタリとラップを張り全体を包み冷蔵庫で保存。3日間ぐらいで食べきる。
ゆでた後の湯は、アッサリした鶏のスープになっている。溶き卵を加えてかき玉スープにしたり、煮込み料理のダシにしたりと活用できる。
次は「野菜いためセット」。おすすめしたいのが、簡易蒸し器を使った蒸し物だ。
広めの鍋に湯を2センチメートルほど張って蒸し器を準備。野菜いためセットを広げ、さらに豚バラ肉を敷く。野菜+肉+野菜+肉など、肉の量で二段または三段重ねにして、フタをしたら中火で5分程度加熱する。豚バラ肉のうまみを野菜が吸い取り、さっぱりしているのにコクがある、おいしいメイン料理になる。
アレンジの幅も広い。鶏モモ肉や魚の切り身(とくに白身魚)に変えてもいい。加熱しすぎてもおいしいタイの切り身は料理初心者にも扱いやすい。つけダレをごまダレやワサビじょうゆ、ショウガじょうゆ、ドレッシング、マヨネーズなどに変えてもいい。いためるよりも油分が控えられるのもおすすめポイントだ。
出来合いの総菜も遠慮せず使いたい。我が家では小アジの唐揚げを、スライスした野菜と一緒に市販の合わせ酢に浸して南蛮漬けをよく作る。揚げ魚はサッパリし、野菜もたくさん食べられる。使う野菜はピーマンやゴーヤー、キュウリやズッキーニなど夏野菜が向く。パプリカで色鮮やかに仕上げると来客時に使えるほど華やかだ。
夏鍋のもとはラーメンスープ
南蛮漬けは、小魚以外の揚げものにアレンジできる。例えば、頑張って前の日に作り過ぎた鶏の唐揚げや竜田揚げ。本当は、揚げたてを酢に浸すほうが味も良くしみるが、市販の合わせ酢は冷めた揚げものを漬けても、十分おいしくしてくれる。
最後は鍋。一日中冷房の効いたオフィスや家にいて冷えた体には、夏こそ鍋かもしれない。鍋スープが冬ほど店の棚に並ばない今、年中手に入る豊富なラーメンスープのもとを使うのも手だ。
スープのもとを湯で薄めに溶かし、具材を入れて煮る。最後にクシ切りしたトマトとパクチーを乗せれば、底のほうは安いモヤシたっぷりの鍋でも、トマトの赤とパクチーの緑で色鮮やかな、夏の鍋になる。パクチーが苦手なら、青ネギの小口切りやセロリの葉でもいい。たくさんの野菜が摂れるうえに、煮込んでいるので消化もよく、暑さで疲れ気味の胃腸にも優しい。
(家事ジャーナリスト 山田 亮)
[NIKKEIプラス1 2018年8月25日付]
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