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シュワシュワ爽快 おうちでスパークリングカクテル

NIKKEIプラス1

2018/8/11付

岡村 享則撮影

シュワっとはじける泡の爽快感が楽しめる無糖の炭酸水がブームだ。この炭酸水を使い、おしゃれなスパークリングカクテルが簡単に作れる。猛暑の今夏、プロの技を取り入れて楽しもう。

元来、ウイスキーなど酒の割材としてバーや居酒屋で使われていた炭酸水が、スーパーやコンビニエンスストアで売り場を広げている。

「ウィルキンソン」で市場をけん引するアサヒ飲料は、「2008年のリーマン・ショックを機に、低価格の居酒屋などでハイボール人気に火がつき、その後、家飲みのブームが続いた。ここ数年は、健康志向により日常的に飲む直(じか)飲みが広がっている」という。

炭酸水を使えば、自宅で簡単においしいスパークリングカクテルを作ることができる。スーパーなどで簡単に手に入る材料を使って挑戦してみよう。

■ワインやビール 身近な材料で

帝国ホテル「インペリアルラウンジ アクア」の支配人、西木弘幸さんが暑い今の時期ならと一推しするのは白ワインのソーダ割り「スプリッツァー」という。炭酸系のカクテルといえば、ハイボールをはじめとする辛口系か、「モスコミュール」などの甘いものが多いが、「スプリッツァーは非常に清涼感があり、アルコール度数も低め」(西木さん)なのがその理由だ。

スプリッツァーの名は、ドイツ語のシュプリッツェン(はじける)に由来している。赤ワインに変えれば「スプリッツァールージュ」、ソーダではなくジンジャーエールで割ると「オペレーター」に。また、白ワインとビール、炭酸水を同割で合わせれば「ビアスプリッツァー」という別のカクテルになる。

白ワインではなく、赤ワインを使う場合は、「糖分の入った炭酸飲料で割ると飲みやすくなる」と西木さん。

実際、赤ワインをジンジャーエールで割った「キティ」というカクテルがある。英語で子猫を意味し、「子猫でも飲めるほど」という表現に由来する。サイダーやレモネードなど、甘めの炭酸飲料ならなんでもよい。なお、コーラで割れば「カリモーチョ」と呼ばれる。

これらのスパークリングカクテルを作るときに使うワインは、コンビニなどで手に入る手ごろな価格のものや飲み残しで十分だ。

定番の「ジン・トニック」は少々甘めと感じる人におすすめなのが「ジン・ソニック」。香りや甘みを加えた炭酸飲料のトニックウォーターに、さらに無糖の炭酸水をプラスすることで、よりさっぱりとドライな口当たりにしたもの。このように複数の炭酸飲料を組み合わせる「ソニックスタイル」は、米国の報道関係者(プレス)が好んだという説から「プレス・スタイル」とも呼ばれている。

スパークリングカクテルをより楽しむなら、バーテンダーの技を少しだけ覚えたい。家とはいえ、上質な時間を演出できる。

最も大切なのは混ぜ方だ。「最後に炭酸水を加えたら、できるだけ混ぜないこと。ベースの酒がリキュールなど比重が重く沈んでしまうタイプを除けば、ひと混ぜでいい」と西木さん。マドラーで混ぜ過ぎると炭酸ガスが抜けて口当たりが水っぽくなってしまうためだ。炭酸水を注ぐ前の、グラスに氷、酒などを入れた段階でよく混ぜておこう。

■レモンの皮使い グラスに香り

もう1つはレモンの皮を使った香り付け。マティーニなどのカクテルの仕上げにバーテンダーが実践するのを見たことがある人もいるだろう。レモンの皮の部分を指で押しつぶし、芳香成分を含んだ油分をスプレー状にグラスにふきかける。グラスに顔を近づけると爽やかな香りが楽しめ、印象が変わる。

「バーで出すのはスタンダードなカクテルが多くなるが、家庭ならいくらでもアレンジができる」と西木さん。桃やレモンなど余ったフルーツを入れたり、シロップの代わりに糖分が入った炭酸飲料を使ったり。アルコールのベースを戸棚の隅に眠るウイスキーやラム酒に変えてみたり。西木さんは「好みに応じて自由に楽しんでみてほしい」とアドバイスする。

家庭で楽しむならきっちり計量して作る必要もない。理科の実験感覚で試すうちに、思わぬ名作が誕生するかもしれない。

(フードライター 糸田 麻里子)

[NIKKEIプラス1 2018年8月11日付]

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