変わりたい組織と、成長したいビジネスパーソンをガイドする

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック

リコージャパン(東京・港)では、複合機などの販売を通じて顧客の業務効率化を支援している。立川南営業所の所長、広瀬幸司さん(39)は優秀セールスとして3年連続で表彰され、最後の2016年度には全国1位に輝いた。顧客企業の経営層から現場までの「困っていること」を解決する最善策を提案して、信頼を得ている。

リコージャパンはリコーだけでなく他社の事務機器まで幅広く販売している。顧客の業種も建設や福祉など多種多様で、広瀬さんは営業エリアの立川市内を中心に、中小企業に足しげく通って実績を積み重ねた。

「モノだけを売るのは厳しい時代になった」(広瀬さん)。産婦人科のクリニックを担当した時、最初に依頼されたのは電話機の交換だった。「何か困っていることはありますか」。納品までの間、作業を進めるだけでなく、現場のスタッフの話を聞くうちに、待合室など空調の温度設定に不満を抱えていることが分かった。

課題見抜き伝える

商談で決定権を握るのは院長や社長などの経営者だ。だが広瀬さんは「現場で働く人が感じる課題は意外と経営層に伝わっていない」と話す。現場に密着することで、「お客様よりお客様を知っている状況を作る」ことが信頼を得る秘訣だ。

新潟県出身の広瀬さんの振り出しは、Uターン就職した新潟リコー(現リコージャパン)だった。当初はすぐに契約してくれそうな顧客に商品の話をするのが広瀬さんのやり方で、「入社後1~2年は本当に売れなかった」と振り返る。

広瀬さんが営業手法を変えたきっかけは、自身が商品については詳しいが、顧客の課題を知らないことに気づいたことだった。現場で課題を探るやり方に変えると、実績も伸びた。10年に全国の販売拠点を統合してリコージャパンが発足した際、抜てきされて西東京支社に配属された。

顧客からの要望は「そのまま受け入れてはいけない」(広瀬さん)。顧客の要望通りに製品を提供するのは簡単だが、それが顧客にとって最良の選択肢かどうかは分からない。顧客の要望を踏まえた上で新たな案を出し、さらに自らの案と競合する対案を考え出す。

新着記事

Follow Us
日経転職版日経ビジネススクールOFFICE PASSexcedo日経TEST

会員登録をすると、編集者が厳選した記事やセミナー案内などをメルマガでお届けしますNIKKEIリスキリング会員登録最新情報をチェック