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体脂肪などの測定結果を基に健康や栄養についてアドバイスをする

コクミン(大阪市)が3月にカフェに併設する形で出店した調剤薬局「ファーマカフェ東粉浜店」(同)。店長の森脇まりさん(32)は薬剤師としての仕事の合間に、カフェで来店者の健康相談に乗る。店内の機器を使った測定結果を基に健康や栄養についてアドバイスをする。処方箋をもたない時でも相談に乗り、気軽に来店できる環境を作る。

「たんぱく質が不足していますね。もう少し豚肉を食べてみてはいかがでしょうか」。6月中旬の午後3時、カフェを訪れていた60代の女性に森脇さんがおもむろに話しかけた。この女性が店内に設置した測定機器を利用しているのを見かけたからだ。

カフェを利用するお客は無料で測定機器を使うことが可能で、体重や体脂肪のほか、筋肉量、たんぱく質やミネラルの量までも測定することができる。体脂肪率が多ければ運動を促したり、ミネラル量が少なければウエハースを薦めたりと、森脇さんは薬局の仕事の合間を縫って、お客の健康相談に乗る。アドバイスは1回あたり約20分。

森脇さんがアドバイスを始めたのは、厳しい立地が背景にある。通常、調剤薬局は病院の開設に合わせて出店する。ただ、薬局が飽和状態のなかの出店が増えるなか、特定の病院に通う患者の利用が見込めないケースが目立つ。

東粉浜店も周囲の病院から離れた薬局であることから、来店を促すには積極的に呼び込まなければいけない。森脇さんは「選んでもらえるように、薬局も営業努力する必要がある」と説明する。目指す姿が処方箋がなくても通える薬局だ。

最初はカフェ目当てで来た人が健康相談をきっかけに、病院に通った後に薬局を利用するようになったという。現在、カフェの利用者は一日20人程度だが、友達に誘われて来店した人が健康の話で盛り上がり、新たな利用者になることもあるという。60代女性は「用事がなければ薬局に行かないが、カフェがあると身近に感じる」と語る。

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