猛暑で破裂や発火… ペットボトルやスマホにご用心

NIKKEIプラス1

写真はイメージ=PIXTA
写真はイメージ=PIXTA

暑い夏は飲料の入ったペットボトルやリチウムイオン電池などが破裂、発火することがある。気をつけるべきポイントを押さえ、思わぬ事故やケガから身を守ろう。

熱中症対策としてスポーツドリンクや経口補水液などが注目されている。熱中症予防のためには、こまめな水分補給を心がけなければならない。一方で、便利なペットボトル飲料の飲み残しが思わぬ事故を引き起こしている。

国民生活センターによると「飲み残しを放置したことで、容器が破損したりキャップが飛んだりして、ケガをする事例が出ている」。ペットボトルが破裂し目や腕に傷を負ったほか、天井や照明が壊れたという報告もあった。

細菌によるガス 容器内に充満

原因は増殖した細菌が発生させるガス。このガスが充満し、ペットボトルの内圧を上げる。内圧が高くなったペットボトルは少しの衝撃で、キャップが飛んだり容器が破損したりすることがある。

「冷蔵庫内では細菌が発育しない。一度開栓したら冷蔵庫で保管し、微生物を増殖させないことが重要」(国民生活センター)と注意を促す。

炭酸水の場合、未開栓で容器が破損することがある。例えば、炎天下の車内は温度が短時間で上昇し、60度を超えることも珍しくない。直射日光が当たるダッシュボードは80度超に上昇することもある。こうした環境では、水に溶けていた炭酸ガスが気化して容器の内圧が上がり、容器が破損してしまう。

他にも制汗消臭剤や日焼け止め、ヘアスプレーなどさまざまな用途で使われるスプレー缶やライターは要注意。液体ガスは気化しやすいため、破裂してフロントガラスを直撃するほか、ライターが自然発火する事故も起きている。化粧品やプラスチック製品は溶けて変質することもある。 「日光や気温の上昇によって車内が予想外に危険な状況となることも。車内にモノを置くときには十分注意が必要」(国民生活センター)だ。 車の中で使うスプレー缶は種類も多い。暑くなった車内の温度を下げる冷却剤のほか、ガラスのくもり止めやタイヤクリーナー、冬場に使う解氷スプレーなど様々。使わない時は車から出しておいたほうが安心できる。

高温な場所ではスマートフォン(スマホ)やパソコンが使えなくなることがある。一定温度を超えると内蔵されている保護機能が働くためだ。直射日光があたる場所に置いておくと、本体の温度が上がり使用できなくなる。

アップルジャパン(東京・港)によると「早く使えるようにするには本体の電源を切り、涼しい場所に移して冷えるのを待つ」とのこと。ただし、冷蔵庫や冷凍庫などでの急冷は故障の原因にもなる。

もっとも、スマホやノートパソコンなど、多くの電子機器に内蔵されるリチウムイオン電池については通年で危険があるので警戒を。「電極や電解液に可燃性の有機溶媒を使うため、発火や発煙事故につながりやすい」(経済産業省製品安全課)。設計・製造工程のミスや保護機能の故障といった不具合が原因だ。

設計・製造工程のミスが発覚した製品はリコール(回収・修理)される。リコール情報は製品評価技術基盤機構(NITE)のホームページで公開している。

コンセント周り こまめに掃除

リコール対象ではないリチウムイオン電池でも、「強い衝撃を与えると保護機能が壊れ、発熱や破裂、発火することがある」(電池工業会)。スマホをポケットに入れたまま転倒しただけでスマホが発熱し、発火したという事例もある。「リチウムイオン電池が外部から衝撃を受けて変形などした場合は、購入店や製造・輸入業者へ継続使用が可能か相談してほしい」(NITE)

家庭ではコンセントや電源コードが発火する事故も潜む。原因はケーブルの断線やショートに気付かず継続使用した、電源ケーブルの定格を超えて使用したなど、取り扱いの不備も多い。コンセントにホコリがたまり湿気を帯びると、熱を持ち火花が発生するトラッキング現象による事故もある。「消費電力の大きな機器には延長コードなどを使用しない。定期的にプラグを抜き、乾いた布でほこりを取り除くといい」(NITE)

暮らしに潜む危険は意外と多い。気をつけよう。

(ライター 秋葉 けんた)

[NIKKEIプラス1 2018年7月21日付]

MONO TRENDY連載記事一覧