サバ缶で夏の食卓 カレーもそうめんも栄養満点管理栄養士 今泉マユ子

2018/7/15

おかずにも酒のさかなにもぴったりのサバ缶。水煮や味噌煮、しょうゆ煮、オイル漬けなど煮付けタイプに加え、照り焼きやフレンチ風といったフィレ(切り身)状の品ぞろえもある。価格も手ごろで、売り上げは好調だという。

サバ缶を使う利点は多い。生のサバは全体の30~50%を調理で廃棄するが、サバ缶は頭や内臓などを取り除いてあり、捨てるところなく食べられる。下処理が不要で、時短効果も大きい。魚料理はこれまで、週2回のゴミ収集日にあわせて作っていたが、生ゴミが出ない缶詰を使えばタイミングを選ばずに済み、助かっている。

最近はレモンバジルやカレー、チリソースなどの味付けサバ缶や、産地にこだわったプレミアム缶もある。水煮缶でも程良い塩味があるので、調味料なしで使える。

ボウルに卵を1個割り入れてほぐし、サバの味噌煮缶を缶汁ごと、薄力粉を50グラム、おろしショウガを大さじ1入れて混ぜ、小口切りしたネギとかつお節を入れて混ぜたものをフライパンで両面焼くと、サバのチヂミが出来上がる。

フライパンにオリーブ油、ニンニク、赤唐辛子を入れて火にかけ、香りが出たらサバの水煮を缶汁ごと、ヘタをとったミニトマト、ブラックオリーブを入れ、蓋をして弱めの中火で蒸し煮にすると、簡単アクアパッツァが完成する。調味料を足さずに1缶で2人分作れるので、減塩効果も期待できる。

栄養面でもサバ缶はオススメだ。血液をサラサラにする効果があるエイコサペンタエン酸(EPA)、脳や神経の情報伝達に深くかかわり、認知症予防に効果的と知られるドコサヘキサエン酸(DHA)などの脂肪酸は光や酸素で酸化しやすい。サバ缶はとれたてのサバを真空調理しているので、長期保存でも成分が酸化しにくい。EPAやDHAは水や油に溶けやすく調理で失いやすいが、サバ缶の汁には残っている。汁ごと使おう。

カルシウムも豊富だ。含有量を比べると、生サバは100グラムあたり6ミリグラムなのに対し、サバ水煮缶は43倍の260ミリグラム。水煮缶は加圧加熱殺菌で骨まで軟らかくなっており、子供やシニアも食べやすい。

サバ缶はトマトソースとの相性も抜群。冷やして食べてもおいしいので、これからの季節はそうめんのつけ汁にも使ってほしい。

私のお気に入りは、サバの照り焼き缶に、小口切りにしたミョウガと青ネギをたっぷり混ぜるだけのあえ物だ。そのままで、ご飯や豆腐、そうめんに合わせて、あっという間に平らげている。

今泉マユ子(いまいずみ・まゆこ)
1969年生まれ。管理栄養士として企業の社員食堂、病院や保育園に勤務。缶詰やレトルト食品を使った時短レシピのアレンジのほか、防災食アドバイザーとしても活躍。

[日本経済新聞夕刊2018年7月10日付]