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アラフィフ高速道、修繕が新設を逆転 費用どう捻出? 橋梁などに傷み、18年度の6社見通し

2018/6/30付 日本経済新聞 朝刊

高速道路の修繕更新は通行を規制しながら進めることも(2016年度、福島県内の東北自動車道)

高速道路6社による2018年度の道路整備事業で、修繕更新費用が新規建設費用を上回る見通しとなった。1964年の東京五輪に向けて整備が進められた首都高速道路をはじめ、開通から50年近く経過した路線の老朽化対策が急務となっている。首都圏の三環状道路など大規模な新規建設工事も峠を越えており、各社は今後、修繕更新に比重を移していく方針だ。

6社の18年度の事業計画を集計したところ、整備事業全体の費用は前年度から横ばいの総額3兆4134億円を見込む。うち新設が14%減の1兆6022億円と10年ぶりに減少する一方、修繕更新は1兆8112億円と17%増加する。整備費全体に占める修繕更新の割合は8ポイント上昇して53%となる見通し。実際に修繕更新が新規建設を上回れば、05年の民営化以降初めてとなる。

西日本高速道路の修繕更新割合は61%と、初めて6割台になる見通し。大阪府と山口県をつなぐ西日本の大動脈、中国自動車道で橋梁などの更新が本格化するためだ。

1970年から順次開通した中国道は、古いところでは供用から50年近くたつ。同社は中国道をはじめ、2016年度からの15年間で全体で約1兆1000億円を投じるリニューアル事業を実施。中国道では18年度、兵庫県の福崎インターチェンジ(IC)―山崎IC間や、岡山県の北房IC―大佐スマートICなどで橋梁の床版の取り換えを進めている。工事期間中は車線規制などをする。

阪神高速道路では大阪市内中心部、ミナミの繁華街を高架で横断する15号堺線湊町付近などで修繕更新を進めている。同町付近は地下に地下鉄や地下街があるため、基礎にコンクリートより軽量な鋼鉄を使っている。開通から50年近くたち、地下水による腐食が目立ってきたため、更新する。同社の修繕更新割合は78%まで上昇する。

日本の高速道路は首都高速道路や、日本初の都市間高速道路である名神高速道路など1960~70年代に開通した区間が3割程度ある。2012年度末時点で供用後30年以上の区間が約4割だったが、50年には同50年以上が約8割に達する。経年劣化による事故などの危険性も指摘され、各社は大規模な更新や修繕を進めていることが、修繕更新割合の上昇につながっている。

一方、大規模な新設工事が一段落したことで修繕更新割合が高まるのは東日本高速道路。東京外郭環状道路(外環道)千葉県区間が6月2日に開通したことで、新設工事費が1500億円近く減り、修繕更新の割合が48%に上昇する。17年3月に横浜北線が開通した首都高も新設事業は2年連続で減少して2年前の半分の910億円になるなど、新設工事が減っていることも大きい。

高速道路では経年のほか、規制緩和による車両総重量の増加や厳しい気象条件などで、橋梁など構造物の劣化が進んでいる。東日本、中日本、西日本の高速道路3社によると、大規模な修繕や更新が必要なのは14年時点で約2110キロメートル、事業費は約3兆200億円と見込まれている。

財源については50年までとしていた高速道路の料金徴収を15年程度延長して充てることにしている。一方、国費などを投入して建設する「新直轄方式」の高速道路については、修繕更新費用も国や都道府県などが負担する。工事による通行規制とともにコストも低減できるよう、効率的な工事の実施が重要になる。

(桜井佑介)

[日本経済新聞朝刊2018年6月30日付を再構成]

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