WOMAN SMART

時短家事

カジダンへの道 3人育児へ18時帰宅を厳守 モバイルファクトリー社長、宮嶌裕二氏

2018/7/1 日本経済新聞 夕刊

平日の帰宅は午後6時。競争激しいモバイル業界で、仮想通貨を支えるブロックチェーンを使った新サービスなど、最先端の技術開発を進める日々です。それでも帰宅時間は厳守しています。

長女(4歳)、長男(3歳)、次女(0歳)の3人の子育て中。子どもたちに夕食を食べさせたり、お風呂に入れたりして夜8時半にはみんなで寝ます。限られた時間で家事・育児を効率的に進めるには、「浮かせた時間を何に使うか」を明確にしておくことが欠かせません。僕にとっては、家族とくつろぐ時間をつくりだすことです。

もともと生活に支障のない程度の家事はこなせます。中学時代は、自分が食べるものは自分でつくっていました。弁当も前日の夕食の残りを自分で詰めたものです。母親が美容師で当時は3店経営し、夜9時すぎまで戻ってきません。自然と「自分のことは自分でやる」のが当たり前となりました。

父は社長として美容院の経営を見ていましたが家にいる時間が結構長く、掃除や洗濯もしていました。男が家事をするのは普通の光景。3つ年下の弟もこなせます。家事の当番を決めて「属人化」させるのではなく、誰もができる「仕組み化」ができていたようです。

この「仕組み化」が現在の時短家事につながっています。

30歳で今の会社を起業した時は独身で、1日15時間働いていました。家には寝に帰るだけ。家事をする時間なんてもったいない。

昨年9月に第3子となる次女が生まれたのを機に長時間労働を見直した

こうしたワーカホリックな日々を変えるきっかけとなったのが、3人の子どもの誕生です。1日24時間しかないなか、自分の人生で大切なものの優先順位を考えたとき、それは家族であると実感しました。それで、まずやめようと思ったのが長時間労働です。

昨年9月に次女が生まれた時に2回目の育休をとりました。1回目は2週間で、2回目は2カ月間。その間、取締役会に出るだけ。「社長が居なくてもまわる会社」を実現できたからでしょう。全社的に業務を「属人化」させず「仕組み化」することをすすめました。それまで僕は、広告の文面など業務の細部にもこだわっていたのですが、経営に特化し業務執行は現場に任せました。とっても勇気のいることでしたが、今では自分の働く時間は3分の1にして、会社の利益3倍を実現しています。

現在、我が家では子どもたちにも家事を手伝わせています。長女が小さな手で一生懸命、洗濯物をたたんでいます。やがて、下の子どもたちも見よう見まねで覚えていくでしょう。家事を「仕組み化」することで時短につなげる技を、僕自身、このコラムを通じて身につけていきたいと思っています。

宮嶌裕二(みやじま・ゆうじ)
東京都出身、46歳。1995年大学卒業後、ソフトバンク入社。サイバーエージェントを経て2001年にモバイルファクトリー設立。育休を2回取得。4歳、3歳、0歳の3児の父。

[日本経済新聞夕刊2018年6月26日付]

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