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昨年並みのはずなのに… 年金手取り額が減った理由

2018/6/16付 日本経済新聞 朝刊

写真はイメージ=PIXTA

 6月15日は4~5月分の年金の支給日だった。今年度分としては初めての支給に対し、「また手取り額が減った」「物価が上がっているのに年金は増えないのか」などと不満まじりの感想を抱いた人もいるだろう。そもそも年金支給額はどう決まり、今後はどうなるのか。将来に備えるためにも基本を知っておこう。

 「また減った」。東京都の安田稔さん(仮名、68)は6月上旬、日本年金機構から送られてきた18年度分の年金振込通知書を見て少しがっかりした。通知書に示された「振込額」は2カ月分の合計で41万156円。昨年度より約1万9000円減っていたからだ。

 厚生労働省は1月末、18年度の年金額は昨年度と「同額」と発表していたはず。なぜ減ったのだろうか。

 その理由はすぐにわかった。年金から天引きされる税や保険料が増えていたのだ。確かに「年金支払額」は昨年度と同じ。一方、扶養していた母が亡くなったこともあって税額が増えていた。介護保険料もわずかに増えた。この結果、振込額が減った。

 安田さんの場合、妻(62)の分の年金も出る。世帯としての年金額は、標準的なモデル世帯より多い(図A)。しかし、収入は年金だけ。「これでやっていけるのか」と不安げだ。

■受給増の壁高く

 少子高齢化時代の年金財政は厳しい。支給額は減っていくと考えるのは自然。天引きがあれば、振込額はさらに減るだろう。しかし実際の年金額は世の中の物価や賃金の動向に左右される。この先、額面が減り続けるばかりというものでもないようだ。

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