梅雨の冷蔵庫は小まめに除菌 野菜室は水拭きNG

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梅雨は常温で置いておく食品の傷みが気になる時期。冷蔵庫に保管しなければ安心できない。でも、冷蔵庫の中は衛生的だろうか。手際よく重点的に掃除するポイントを紹介しよう。

まずは冷蔵庫掃除の方法を見直そう。食品を全て出して一気に清掃するとなると、大ごとになってしまう。部分的に「小分け」して進めるのが正解だ。例えば、中棚の棚板(トレー)1段の半分、ドア棚1段分というイメージ。そのスペースの食品がなくなったタイミングを狙い、小まめに掃除を進めていく。

野菜室に菌多く 水拭きはNG

次に掃除と言っても、布巾を使った水拭きではなく、アルコールスプレーによる除菌をすすめる。消毒用エタノールを主成分とした台所用のアルコールスプレーを使う。使い捨てを前提とした清潔なキッチンペーパーか、ティッシュペーパーを用意し、スプレーして拭き取ったら捨てる。洗濯済みのタオルでもいいが、使い捨てが前提だ。

アルコールスプレーを使っての小まめな掃除をすすめるのには、理由がある。

兵庫県立生活科学研究所(現、消費生活総合センター)が実際に使用する冷凍冷蔵庫を検査した調査がある。6つの一般家庭の冷凍冷蔵庫を、食品の製造施設と同じ検査をし、細菌による汚染状態を調べたものだ。これによると、食品の腐敗や食中毒の原因になる菌などが最も多かったのは野菜室、次いで調味料やペットボトルなどをしまうドアポケットの汚れ部分だった。

また、野菜を袋などに入れずに保管した野菜室では多くの細菌が検出されたうえ、水拭き前後で比べると水拭き後のほうが菌数が増えた。水拭きにより野菜のクズに付着した細菌を塗り広げ、かつ水分が加わったことで成育しやすくなったという。ただ、水拭き後に消毒用エタノールを染み込ませた布で一拭きすると、菌は検出されなかった。

野菜類は多くの微生物が生きている土で育ち、多くの細菌やカビが付着する。冷蔵庫なら大丈夫と安心し、無自覚に保管や掃除していると、汚染が広がってしまう。

この結果を考えると、なんと言っても野菜室は小まめに掃除したい。空きスペースができたら、サッとアルコールスプレーをして拭き取る除菌を習慣づけたい。

野菜室の使い方も意識しよう。土が付いた野菜は避ける。そもそもサツマイモなど、温度が低すぎると品質が劣化する低温障害を起こしやすい根菜類は屋内の冷暗所に保存する。もし、冷暗所がないなら一度、野菜の泥土をすっかり洗い流し、しっかり乾かしてから野菜室に入れる。調理前の手間が1つ減り、家事の時短にもつながる。

ドアや引き手も 忘れずに除菌

ケチャップやマヨネーズのほか、夏は冷たい飲料を入れるボトル棚などドアポケットも同様。汚れたら小まめに除菌するか、面倒なら底部にキッチンペーパーを敷き、ぬれたらすぐ交換するといい。

生魚や生肉を収納するチルド室も要注意。生肉から出る液など食品由来の水分には食中毒の原因になる細菌が含まれていると考えられる。見つけ次第、アルコールスプレーで除菌しよう。ドアポケットと同じくキッチンペーパーなどを敷いておくのも一案だ。

自動製氷装置にも気をつけよう。多くの冷蔵庫の取扱説明書では給水タンクの掃除を1週間に1度程度と設定する。食器用スポンジは、それ自体が汚れているので、手で水洗いしたほうがいい。

ただ、細菌によるヌメリやカビが出てきたら、活性炭のフィルターやパッキンなど部品を全て外して、次亜塩素酸ナトリウムのスプレーなどで細菌やカビを除き、しっかり水洗いする。もし、フィルターにヌメリが出た場合は、新しいものに買い替えよう。

メーカーはタンク内の細菌の繁殖を予防するため、カルキを含む水道水の利用をすすめることが多い。ミネラルウオーターや湯冷ましを使うと給水タンク内にカビや細菌の塊が繁殖したり、氷の中に黒いノリのようなカビの塊ができたりすることがある。

最後にドアや引き出しの引き手は手アカなどで想像以上に汚れている。アルコールスプレーを使い清掃しよう。調理中に冷蔵庫から食材を出し入れするなら、なおさらだ。

梅雨本番。冷蔵庫内を清潔に保ち、健やかに過ごそう。

(住生活ジャーナリスト 藤原 千秋)

[NIKKEIプラス1 2018年6月16日付]