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露天風呂やヨガ…高まるフェリー旅人気、裏に人手不足

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NIKKEI STYLE

大部屋で雑魚寝が普通だった国内フェリーが様変わりしている。最新の大型船が相次ぎ就航。ホテル並みの個室が増え、船上ではヨガの教室も。のんびり楽しむ船旅人気に加え、深刻になる人手不足もからんでいる。

日没直後の午後7時。太平洋フェリーの大型船「いしかり」が汽笛を鳴らし、名古屋フェリーターミナルを離れた。目指すのは約770キロ先の仙台港。太平洋岸に添って北上する船旅の始まりだ。

全長約200メートルの「いしかり」は洋上ホテルと言った方が分かりやすい。エントランスは3層吹き抜け。専用カウンターでチェックインし、カードキーを受け取るのはシティーホテルと変わらない。この時期は料金が安く、3食バイキング付きの特等洋室で1万8800円とお手ごろだ。

午後8時すぎ、「まもなくコンサートが始まります」とアナウンスが流れると、夕食を終えた乗客がラウンジへ集まった。懐かしの歌謡曲の演奏に、乗客が手拍子と歌声を合わせる。1時間ほどのステージが終わると海に面した展望風呂へ。長旅を飽きさせない演出がそろっている。

翌日の早朝4時。東京湾の南を航行中、「あっ、見えた」と歓声が上がった。水平線の日の出を海上から眺められるのは船旅ならでは。「たった1泊でもクルーズ気分が味わえる」と、東京都内在住の70代の夫婦は興奮気味だ。

船は関東最東端の犬吠埼を回ってさらに北上。しばらくすると左手に福島第1原発の建物が確認できた。陸地までは約9キロ。船内アナウンスもなく静かに沖を通り過ぎる。

名古屋~仙台航路では、逆に向かう姉妹船「きそ」と2時半ごろ、福島県沖で遭遇する。2隻が500メートルほどの近距離ですれ違う光景はこの航路の名物だ。「安全を願い、互いに汽笛を交換するのが習わし」(小西龍也船長)

船は定刻より20分早い午後4時20分に仙台港に入った。福岡県から来た60代の夫妻は引き続き苫小牧港まで乗り、車で10日間ほど北海道旅行を楽しむという。ゆっくりした時の流れに身を任せていると、そんな言葉にあまり驚かなくなっていた。

国内の長距離フェリーには新造船が相次ぎ登場している。商船三井グループのフェリーさんふらわあ(神戸市)が大阪~志布志(鹿児島県)を結ぶ航路に新造船「さつま」を25年ぶりに投入した。船は一回り大きくなり、定員は1割削減。「1人当たりの面積はめちゃくちゃ広くなった」(営業企画室)とPRする。

同社では初のスイートルームやペットと泊まれる部屋を用意し、ドッグランのスペースも確保。デッキでは星空教室や船上ヨガの教室も開く。

昨年3月就航の新日本海フェリー「らべんだあ」は、雑魚寝の象徴だった大部屋を廃止。甲板には露天風呂を造った。川崎近海汽船が4月に苫小牧(北海道)~八戸(青森県)に投入した新船は「シルバーティアラ」。船内を紫で統一し、「あかちゃんルーム」を用意した。「女性を狙い思い切ってイメチェンした」(岡田悦明フェリー部長)

では船旅人気が新造船をけん引しているのかというと、必ずしもそうではないようだ。「背景にあるのはトラックのドライバー不足」と日本長距離フェリー協会の小原得司常務理事は解説する。

フェリーは乗客だけでなく、自動車から食料品、雑貨までさまざまな貨物を運ぶ。運転手不足の運輸業界では、長距離輸送をトラックから船や鉄道に切り替えるモーダルシフトが加速。特にフェリーは「二酸化炭素排出量が少なく、輸送力が大きい点が見直されている」(同)という。

フェリー会社が積載量の大きい新船を投入するのは、将来の貨物増加を見越した戦略。結果として、旅客の施設も最新になり、船旅の魅力がアップしている。フェリーの旅は時代の波にも乗っている。

◇  ◇  ◇

2泊で90万円の客船も

切り妻屋根の和風建築を乗せた客船「ガンツウ」が、昨年10月から瀬戸内海を巡っている。「海に浮かぶ小さな宿」がコンセプトで、全19室がスイート。2泊3日で1人40万~90万円(2人1室)という金額にもかかわらず、順調に滑り出した。

広島・尾道を母港に、島や漁港を3、4日かけてのんびり回る。船内では寝ころんで景色を楽しみ、地元で揚がった魚介を堪能する。「4回、5回と乗船するリピーターもいる」と担当者は話す。

お金がかかっても船でという動きはフェリーも例外ではない。新造船「さんふらわあ さつま」でも「予約は高い部屋から埋まっていく」。船旅の潮目は、徐々に変わりつつある。

(田辺省二)

[NIKKEIプラス1 2018年6月9日付]

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